勇気二部作の
今後の海外展開

──では最後に、『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』の今後の海外展開について教えて頂けますか。いろいろ面白い話もきているようですが。

古賀 ありがたいことに『嫌われる勇気』は、すでにさまざまな国での翻訳出版が決まっています。そのことはもちろん非常に嬉しいですし、もともとそれを目標としてやってきました。ですが、今回韓国を訪れて思ったのは、海外に次回作を楽しみに待っていてくれる人がいることのありがたさです。それって小説ならあるのかもしれませんが、ビジネス書やノンフィクション系の本では極めて稀だと思います。実際『幸せになる勇気』は韓国の読者も念頭に置いて書きました。すごく貴重な体験をさせて頂いています。そういう意味でも、いろいろな国で翻訳を出して読者の方々と触れ合いたいですね。

もはや日韓の壁をのり越えた<br />韓国におけるアドラー・ブーム韓国語版『幸せになる勇気』(前)、後ろは『嫌われる勇気』。

岸見『嫌われる勇気』の刊行以来、韓国には何度も行く機会がありました。そのたびに強く感じるのが、韓国で売れているというより、韓国の人たちにこの本が届いているという感覚です。だからこそ韓国語も勉強したいと思ったのです。読者一人ひとりに重要な意味をもって届いているのだろうと実感できることがとても嬉しいのです。他国で翻訳出版された際も、同じような感覚を持ちたいと思っています。

──『嫌われる勇気』は、すでに発行されている韓国、台湾、中国に続いて、タイ、ベトナム、ギリシャ、ブラジル、ポルトガル、スペインなどでも翻訳が決まっています。

岸見 ほんとうに嬉しいです。出版が楽しみですね。

古賀 アドラー心理学が生まれたエリアとは、ある意味真逆の文化圏である東アジアでこれだけ火がついたわけですから、どこの国に行っても受け入れられる可能性は十分あると思います。

岸見 英語圏はもちろん、最終的にはアドラーの生まれ故郷オーストリアで出版される日が是非来て欲しいですね。

古賀 そうですね、是非実現しましょう!

(終わり)