バイオテクノロジーによる農業
Evogene(エヴォジン)社はイスラエルの種苗会社であり、作物の改良を目指しR&Dを行っている。前述のHazera社と同種の会社であるが、この会社はゲノムとバイオテクノロジーを用いて作物とバイオ燃料を開発し、ストレスや害虫に強いといった作物に望まれる形質を開発している。例えば、害虫に強い稲を生み出したり、収量のより高いトウモロコシを生み出したりしている。
Evogeneは同種の植物を交配させる方法と、遺伝子組み換え(GMO)の両方の方法から作物の改良を行っている。とうもろこし、大豆、綿の生産ではMonsantoと、コメの生産ではBayer CropScience(バイエル・クロップサイエンス)と、それぞれ協力関係にある。他に10社と提携して、厳しい環境に耐性をもたせたり収量を高めるため、開発を進めている。
イスラエルは農業分野で今後も世界をリードしていく存在であることは間違いないだろう。日本では地震大国であることから耐震技術が発達したように、イスラエルでは乾燥地帯にあるといった制約の中、自国で食料をまかなわなければならないといった状況から、過酷な環境で不可能と思われることを成し遂げてきた。まさに「必要は発明の母」である。