「彼女と知り合ったきっかけは、祖母が通っているデイサービスです。彼女はそこで作業療法士として働いており、実家にも出入りしていました」

 彼女は献身的に働いており、哲也さんは彼女の頑張る姿に惹かれたそうです。そして哲也さんは彼女を「今度、食事でも」と誘ってみたのです。いろいろ話してみると話が妙にかみ合ったので、哲也さんは彼女に対し親近感を持ったとのこと。さらに、哲也さんの勤務先の会社は介護用品の販売をやっていて、彼女の職場も取引先の1つでした。

 哲也さんは声を荒らげます。

「とにかく彼女は、依存心が強いのです。俺がいい加減な受け答えをしたり、素っ気ない態度をとろうものなら、もう大変です。俺の気を引くためでしょうか、わざと嫌がらせや意地悪をするのです」

 例えば、2人で外食をしているときのことです。哲也さんがトイレに行っている間に、彼女は哲也さんの財布を勝手に開け、なかに入っているカードを隠したりするそうです。またiPodの音楽データを無断で消すということも多々あったというのです。

「彼女には子どもっぽいところがあるのです。ラブラブなときは何とも思わなかったんですが、今となれば『甘えん坊』の域を超えていたような気がします」

 哲也さんは、初めのうちは彼女のことを「素直でイイ子」だと思っていたのですが、途中から彼女の存在が苦痛になってきました。哲也さんは、彼女から必要以上に「愛されすぎて」しまったのです。

二重人格のモンスター彼女
愛情は恐怖へ変わっていった

 当初、彼女の悪ふざけを適当にあしらっていた哲也さんですが、そのうち、我慢の限界を超え、キレてしまったそうです。冗談ではなく、本気で怒ると、彼女もいったん反省するのですが、その様子はどうも「心ここにあらず」で本気で反省していないように見えたようです。

「彼女は、超のつくほどの『寂しがり屋』でした。孤独な時間を誰よりも恐れる人種なんですよ」

 それを象徴するエピソードがあります。哲也さんが彼女より先に寝入ると怒られるそうです。哲也さんの寝息が少しでも聞こえようものなら大変です。彼女はイライラしてドライヤーを1時間2時間とかけ続けたり、テレビを大音量にしたりして哲也さんの安眠を妨害しようとするのです。どちらも明らかに意図的に、です。