(4)フリーアドレス座席の導入

超残業職場を満足職場に変えた、<br />JAL調達本部の「働き方革命」窓際にある「集中スペース」

 こうして固定電話をなくすことにより達成されるのが、部署のフリーアドレス化(社員の固定席をなくすこと)である。調達本部におけるフリーアドレス化の基本方針は「オフィスに常に流れをつくり、人・モノを滞留させない」ことである。

 具体的には、机はテーブルタイプにし、4人座れるワークデスクを23個設置した。社員はチェックインシステムで自由に座席を取ることができ、自分で席を選ばなくて済むランダムチェックインもある。管理職にも固定席はなく、毎日同じ席に座る社員はいない。3時間以上離席するとき、長いミーティングのときは一旦チェックアウトすることになっているため、ホワイトボード的な役割もあるという。

 月・火・水曜日は、13グループある組織ごとにまとまって座るというゆるい分類はあるが、木・金は完全にフリー。組織管理職が近くでマネジメントしたほうがいい場合もあるが、色々なグループが交わって情報交換すべきこともあるため、ミックスという形をとっている。部署120名のうち在席率は8割。出張が多い部署のため、全員揃わないことを前提としているが、席が足りない場合は窓際の「集中スペース」や、打ち合わせデスクで補うことができる。

 各テーブルには、座席の他に小さな椅子がついているため、席に居ながらちょっとした打ち合わせを行うことも可能だ。今までは、なかなか会議室がとれず、打ち合わせができないことで意思決定が遅れることもあったが、スピード重視により、こうした悩みも解消された。

固定席から解放されて
コミュニケーションが活性化

 とはいえ、フリーアドレスは日本企業の職場にまだそれほど浸透していない。導入に際して、社員から反発はなかったのだろうか。

「他の会社から、フリーアドレスに抵抗があったとか、管理部門だとそぐわないといった意見は聞いていました。いつも同じ場所の方が効率が良いかもしれない。けれど、『変革をするのであれば、まずはモノや固定席から解放されよう』という考えのもと、フリーアドレスの運用が始まりました。すると、席が変わることに対して抵抗があった人たちでも、ほとんど抵抗感がなくなりました」

 埋金氏は、フリーアドレス導入後の社員の変化を感じたという。フリーアドレス導入後は、毎週月曜日の朝に全員で15分間の掃除をしてから仕事を始めている。整然とした職場を保つためには「4S、5S(※)はやり続けることが必須」(埋金氏)だという。

※4S=整理、整頓、清掃、清潔。5S=左記に躾(4Sを守るようにしつける)を加えたもの。