今回も、前回に引き続き、読者の方の誌上カウンセリングへの投稿をご紹介し、その方に答えるとともに、そこから啓発された思いを書いていきたいと思います。まずは、Dさんのメールを、ほぼ原文通りでご紹介しましょう。

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頑張ってきたのに会社では評価が低い、そう感じていませんか?(写真はイメージです)

 私は大卒で勤続20年を超え、50歳を迎える女性です。総合職として入社したものの、当時は結婚・出産・職場復帰を経た女性を会社の中でうまく育てることが難しかったのでしょう。復帰後は業務をしっかり教わった経験がどれ一つとしてありませんでした。

 とはいえ、自分の裁量でできる業務を復帰後現在に至るまで任され、今では相当なボリュームになった私の業務の代わりをできる人はいなくなりました。

 そんな私の会社での評価は低く、年功による給与も頭打ちになっていますが、私自身としては家庭も仕事(業務)もやりたいことはすべてやった感があります。まさに二流的人生を謳歌していたのですね。

 最近では、この二流的人生を第二ステージに進めたい気持ちに駆られています。このままでは会社にとっても自分にとっても不幸になるのでは? と。

 こんな状態の私でも第二のステージに進んだ方がいいのか、このまま静かにしているべきか、悩んでいます。厳しい世の中、忌憚のないご意見、ご忠告をいただけると嬉しいです。

自分のやってきたことに、
まずは誇りを持ってほしい

 皆さん、中島みゆきさんの名曲、『地上の星』をご存じでしょう。私も大好きな歌の一つです。

 あの歌の中で、中島さんは、「地上にある星を誰も覚えていない。人は空ばかり見てる。つばめよ、高い空から教えてよ、地上の星を。つばめよ、地上の星は今、何処にあるのだろう」と問いかけています。

 読者の皆さんの多くも、入社した時は、「いつか自分も天空に輝ける人生を歩むはずだ」と(表現は違っていても)思っていたのではないでしょうか。

 私もそうでした。しかし現実は厳しく、実際に天空に輝ける人というのは、ビジネスパーソンの中でごく一部です。そして、会社においても、社会においても、注目されるのは「天空の星として輝いた人」だけなのです。

 天空に上れなかった地上の星には、誰も目を向けない。彼ら、彼女らは、世間においては顔のない、名前もない“その他大勢”になってしまう。

 しかし、本当に価値を産んでいるのはそうした地上の星たちです。イノベーションを起こし、会社存亡の危機を救うのも、そういった、その他大勢の名もなき人たちなのです。