昨年の「軽減税率の導入」についても、公明党は「やりたい」、自民党は「やりたくない」と、真っ向から意見が分かれたが、自民党は公明党に配慮して導入を決めざるをえなかった。自民が単独過半数を獲得しない限り、こういった問題は今後もなくなることはない。

「3つ目は『改憲勢力で3分の2』に達すること。これは安倍首相の政治家としての信条でもある“憲法改正”を実現できるかどうかの勝敗ラインです。日本国憲法は最高法規なので、改正のためのハードルは高く、過半数でなく衆参それぞれで3分の2の賛成が必要。それをクリアして初めて、国民投票で問えるわけですね。この場合は自公のみならず、おおさか維新の会や、日本のこころを大切にする党など、他の改憲勢力と合わせて『78議席』に達すればクリアできます」

 憲法改正は、安倍首相が「在任中に成し遂げたい」と語るほど思い入れがあり、自民の公約にも含まれている政策だ。そうであれば、この3つ目こそが自民にとっての「実質的な勝敗ライン」と言えるだろう。

勝利の凱歌をあげる日も近い?
野党が目指す勝敗ラインとは

 自民が3パターンも抱えている勝敗ラインだが、野党にとってのボーダーはどこになるのか。自民の勝敗ラインと、どう関わってくるのだろう。

「自民だけでなく、野党にとっても最大の焦点は憲法改正です。ですから改正に反対する勢力からすれば、勝敗ラインは必然的に『改憲勢力が3分の2に達するのを防ぐこと』になります。野党にとっては阻止できなくはない目標といえるでしょう」

 この勝敗ラインは、政権奪取を狙う野党陣営のものとしては、やや頼りなくも思える。しかし、憲法改正が「難しい政策」である以上、逆に、阻止することは「容易」なのだ。では、野党が大幅に議席を伸ばすチャンスもあるのか。

「それは一概には言えません。戦況はかなり拮抗しているからです。理由はいくつもありますが、もっとも大きな要因として『いまの自民は地方で弱い』ということが挙げられます。アベノミクスの恩恵は、大企業と都市部では顕著でしたが、地方では3年経ったいまでもアベノミクスの恩恵は少なく実質賃金なども上がっていません。農家もTPPには絶対反対ですし、東北では秋田を除いて自民は1人区で、厳しい戦いという政党マスコミの世論調査も出ているぐらいです」