電話対応が苦手になった2つの理由

 新入社員研修や就職支援をしていると分かりますが、驚くほど電話対応が苦手な若者が増えています。それも電話対応自体が苦手というだけでなく、電話に出ること自体が苦手という声も聞きます。

「電話対応をしながらメモを取るなんて、マジで神です!」という声もありました。

 その理由は実に単純です。単に固定電話に出た経験が少ないからです。ですので、私は対応能力というより経験値の差だと思っています。実際にアルバイトなどで繰り返し電話対応をした経験がある場合には、そこまで電話対応に対しての苦手意識は持っていない人がほとんどです。

 苦手意識が生まれた背景は大きく2つあります。

 1つはそもそも「家に固定電話がない」から。携帯電話の普及に伴い、家に電話がない家庭が昔に比べてとても増えています。インテルセキュリティとMMD研究所の調査によると、年代別で固定電話を持っていない割合は20代で38.4%、30代で35.8%、40代で11.4%、50代で4.5%、60代で4.9%です。現在の20~30 代に関しては、必ずしも固定電話が必要ではないことがわかります。

 もう1つは「家庭で子どもに電話を取らせなくなった」ことです。警視庁では、オレオレ詐欺や架空請求等の振り込め詐欺、振り込め類似詐欺を合わせた特殊詐欺の認知件数を公開しています。平成27年は認知件数で1879件、被害額で67.3億円だそうです。これは都内のみの結果ですから、その件数と被害額には驚きます。昨年の被害額80億円から見ると減少しているものの、決して少ない額ではありません。

 こうした電話での犯罪から子どもを守る方法として、例えばNTTドコモでは非通知の電話はつながらないサービスなどを展開していますが、最終的には「子どもに固定電話を取らせない」という対策が最もシンプルで効果的になってきます。つまり、固定電話がある家庭であっても電話は取ったことがない子どもがこうして増えているのです。