参議院選挙が終わり、次の世間の関心は東京都知事選に移っている

まずは過去の失敗の反省から

 参議院選挙が終わった。次の世間の関心事は都知事選だ。もっとも、参院選の終盤にあたった先週にあって既に、話題としては、参院選以上に都知事選が目立っていた。

 なお、都知事選にも関係するかもしれないので、参院選の結果についてまとめておく。(1)アベノミクスの可否を争点にしたことと、(2)共産党幹部の失言が原因で今回の参院選は与党の大勝・野党の敗北(民進党の岡田代表には責任論があっていい)となったが、同時に、(3)共産党を巻き込んだ野党共闘については一部で機能しており今後の与党にとって潜在的な脅威であることが分かった。

 共産党と他の野党は、選挙の都度、政策協定ベースで選挙共闘すればいい。共産党が無駄な候補を立てて、明らかな死票を生み、与党候補を勝たせるのは愚かだ。共産党にとっても、自民党政権が続くよりは、閣外協力で野党に政権を取らせる方が好ましいのではないか。あるいは、そういうオプションを持つことが、政権与党に対する交渉力にもなる。付け加えると、共産党は、そろそろ、党名も含めて現代に適合した党の形に作り直すべきだろう。99%以上の日本人は、純粋な共産主義など望んでいないのではないだろうか。

 さて、本稿では、来たる都知事選にあって、どのような観点から候補者を評価したらいいのかを考えてみたい。

 率直に言って、有権者都民は(筆者も都民だが)、三度続けて知事選びに失敗した。前任の舛添要一前氏、前々任の猪瀬直樹氏は、いずれも不祥事で辞任したのだから、都民の選択は失敗だった。その前の石原慎太郎氏についても、致命的な問題にならなかったが舛添氏並以上の豪華支出に加えて、新銀行東京の失敗や築地市場移転に伴うトラブルもあり、都庁への登庁頻度が低く、何よりも後任に猪瀬直樹氏を指名したのだから、都民の選択は正しくなかったように思える。

 都知事選には約50億円の費用が掛かると言われている。にもかかわらず、どうして、このように失敗を繰り返すのか。