サラリーマンの海外勤務案件は、出国時に「非居住者化」が完結するが、事業者や資産家については出国後1年以上してからが非居住者のスタートになる。
住民票だけ外国に転出したことにして、当の本人は日本にいるというのは論外だが、非居住者化については相当の注意が必要で、実行可能な計画を策定する必要がある。
それと、日本に183日以内の滞在であれば、居住者認定されないという「都市伝説」があるが、これはいただけない。短期滞在者免税の規定であり、非居住者判定の要素にはならないからだ。あくまで「総合勘案」により判定される。
では、脱出先はどこがいいのだろうか?
「日本から近くて、諸条件を満たす国または地域、さらに生活環境や金融インフラも問題ないところは?食事もそこそこ旨くないと……」と考えると、やはり香港やシンガポールではないか。ハブ空港を擁する両エリアはフライトでの移動も非常に便利である。