・パナマ文書、タックスヘイブンとは何か?
・富裕層はどんな税金対策をしているか?
・世界ではどのような脱税行為が行われているか?

国税最強部門、「資料調査課」(税務署では調査できない困難案件、例えば大口、悪質、海外、宗教事案などを扱う部署)出身であり、タックスヘイブンの実情を描いた最新刊、『税金亡命』の著者でもある佐藤氏が、本連載で実情を語る。

税関のリアル。
何がよくて、何がダメなのか?

前回の記事では、「税務当局が銀行送金について、どう目を光らせているか」について話した。本日はもう少し身近な話題として、ハンドキャリーのエピソードを紹介したい。

【エピソード1】無申告
 空港の荷物検査でキャッシュがバレたら困ると思い、カメラフィルム用の専用バッグ(X線回避)にキャッシュを入れて通過しようとしたところ、バッグの中身が見えないせいか、検査官に不審に思われて中身を見られてしまった。

 結局のところ、申告するカウンターが荷物検査の次の場所にあるので、検査官からは「ちゃんと申告してくださいね~」と言われて事なきを得た。隠さずに堂々と持ち込めばよかった!

【エピソード2】金属探知機と妊婦
 空港の身体チェックは金属探知機だと聞いていたので、手荷物と違いシースルーにはならないのではと思い試したことがある。女性は妊娠しているケースもあるので、お腹まわりにキャッシュを巻いて検査機をパスしたら何のお咎めもなかった。女性の場合はチェックが甘い?

【エピソード3】マカオのスタンプ
 日本の税関チェックで、多額の現金を持ち込む際の言い訳を聞いたことがあった。「マカオのスタンプ」を押してもらうこと。税関にはカジノで大勝ちしてしまったのでキャッシュのハンドキャリーとなった、と話せば検査官は「しょうがないですよね。税務署がうるさいですから所得の申告はしてくださいね~」で済んでしまった!