疲れているのは「身体」ではなく「脳」だった!!

ヨーダの語ってみせたストーリーはもっともらしく思われた。「マインドフルネス=休息法」という補助線を引いてみると、これが世界的な流行を呼んだ理由もよくわかる。

そして同時に、これが日本人にも、いまの私自身にも必要だということにも納得せざるを得なかった。なぜなら、「疲れている」という意味では、私たち日本人もアメリカ人に引けを取らないはずだからだ。

「じゃからこそ、〈モーメント〉はマインドフルネスで救えると言ったんじゃ。ナツは『スタッフに覇気がない』と言ったが、その原因はおそらく肉体的な疲労ではない。何しろ、お客が入らず暇で仕方ないんじゃからな。

君の伯父さんも含めて、問題は脳の疲れじゃ。身体が疲れるのは忙しく働き回ったときじゃが、脳はもっといろんな理由で疲労する。どれだけ休暇を取ろうと、なかなか解消する問題ではないぞ。

こうして組織まるごとが疲れていくケースは、アメリカだけでなく日本にもあるはずじゃ。組織は疲労する。これを知っておった優秀な企業トップたちは、いち早くマインドフルネスを企業に導入したというわけじゃな。

彼ら個人は、大きな成功を遂げたかもしれん。お金も知識も社会的地位もある。しかし、心の休息はお金では買えんのじゃよ。プライベート・ジェットで豪華な旅行をしても、何千ドルもするスパに行っても、癒されない何かがある。それに彼らは気づいたんじゃろうな。
結局のところ、自分の内面が休まらなければ本当の休息にはならんということに……」