――任せられるということは、それだけ責任も大きいってことでしょうからね。やはり、売れなかった場合はペナルティも付くわけですか?

「人事評価としてマイナスにはならないですが、罰金は取られます。私も、これまでに3億円の損害を会社に与えていますから」

――まさか、損害の何パーセントを返せとか……。

「いや、なんとなくですよ」

――なんとなく?

「ボーナスから若干引かれる感じですかね。当然、ヒットしたらその分、プラスもありますよ。まあ、失敗してもネタにできちゃう社風なんで、『3億円損しちゃいました』って話題になったら、それでしょうがないなみたいなところはあります」

 いずれにせよ、1本70円のアイスで儲けるのは楽じゃない。「ガリガリ君でガッチリ!」とはいかないところに、愛嬌があるのかもしれない。その分、手堅く儲けている事業があるからできることではあるのだが。

 しかし、そんな疑惑を吹き飛ばすかのように、萩原さんは最後までネタをかまし続けた。

「うちの社内報は『ガリプレス』で、お客様向けに配っている社外報が『ガリガリ君プレス』。大きいメーカーさんだと、こういうのを作るのでもプロのライターさんを頼むんですけれど、うちは取材もなにも自前ですからね、きついんですよ」

――なるほど。

「このまえ、某ビール会社さんと某菓子メーカーさんが出している社内報の取材を受けましたけど、みなさん、当然のようにライターさんを雇ってますよね。うちら、ほんと悲惨だなって……」

 このオープンマインドな社風こそ、多くの人に愛されるゆえんなのだろう。最後に、ダメ元でこう聞いてみた。

――これから作ってみたい商品とかありますか?

「それは言えないですね(笑)。ニュース性が勝負なんで」

――では、今後の抱負を。

ガリガリ君、年5億本売る秘密は「ブームを作らない」萩原さんの祈り「今年も猛暑になれ!」は届くか!?
Photo by T.U.

「抱負ねー、うーん。」

――そこをなんとか。

「まあ、抱負というか……祈りならありますね。『今年も猛暑になれ!』っていう」

 つまるところ、ガリガリ君の売り上げはお天気次第。おみじくも作りたくなるわけだ。