インドの富裕層の子どもは
熱中症になりやすい?

 どれほど寝苦しい夜も「絶対にエアコンをつけない」というのはどうかと思うが、身体を甘やかさず、子どもたちの体温調節機能を鍛えようと頑張る美羽さんは間違っていない。

 私は以前、摂氏50度超えの真夏のインド(インドの真夏は5月)に出張したことがあるのだが、暑さに強いと思われるインドの子どもたちも、富裕層は熱中症になりやすいと聞かされた。

 ガイドのアグさんはデリー市内に自宅を1軒、車で1時間ほどの郊外にテニスコート付の別荘を1軒保有するなかなかのリッチマンなのだが、彼の息子が二人とも熱中症で死にかけたことがあるという。

「うちの子たちは、暑い時期は終日、エアコンの効いた室内で生活しているから、汗腺が発達せず、暑さへの耐性がないのです」(アグさん)

 体温調節機能に不具合をきたす、冷え症と熱中症は表裏一体だ。

「熱中症にならないよう、寝苦しい夜はエアコンを28度程度に設定しましょう」なんていう、天気予報の呼び掛けに、本当に甘えてしまっていいものかどうか…。

 エアコン嫌いの冷え症妻を持つ夫の皆さんにはぜひ、真剣に考えていただきたい。

既に"調教"されていた夫
エアコンつけても快適に眠れず

 梅雨明けが発表された頃、貴之さんは地方出張に出かけた。

 往路の飛行機の中で冒頭の話を聞かされた人たちは一様に同情し、今夜はぜひ、誰にも気兼ねなくエアコンをつけ、快適な眠りを堪能してほしいと願ったし、貴之さんも楽しみにしていた。

 ところが…。

「なんか結局寝つけませんでした。冷房は寒いし、何より寂しくて。僕はもう、家族5人布団を並べて、汗だくにならないと眠れない身体になったのかもしれません(笑)」

「美羽さん流」を受け入れ、すっかり"調教"されてしまった態の貴之さんと、熱中症情報の普及で分が悪い冷え症妻の美羽さん。

 どちらも大変ではあるが、長い目で見れば、順応力が高いうちに自分たちなりの生活習慣に落ち着けた夫妻はラッキーなのではないだろうか。