この間、空自の戦闘機ではゴジラの目を中心に機銃射撃、陸自第一空挺団では空からパラシュート降下、さらなる攻撃を加える。海自護衛艦隊では防衛省技術本部が研究・開発したという「特殊物質」を海中に散布、ゴジラの動きを鈍らせるという。粘着性の高い化学物質を用いてゴジラをがんじがらめにするのだ。

「わが国領海に入った段階では、海自と空自、そして陸自の精鋭部隊を軸としたオペレーションです。しかしこれをゴジラがかわし、首都・東京までやって来たとなれば陸自主体のオペレーションを展開しなければなりません」(同)

 まず東京都、神奈川県、千葉県といった首都圏の各地方自治体に、ゴジラ上陸に備え「防御施設構築」を行い、水際で打ち破るべく関東周辺の部隊がここに派遣される。その主力は陸自第1師団(東京都練馬区)になるという。

ゴジラ駆除の要点は
核エネルギーの封じ込め

「自衛隊法では、防衛大臣が内閣総理大臣の承認を得た上で、陣地など防御施設を構築できます。とはいえいくら国家火急の事案といえども、自衛隊がいきなり民間の土地家屋を接収して…というわけにはいきません。できるだけ、その民間私有地の持ち主を探し出し賃貸借契約を結び、それから防御施設構築を行うことになります」(関東地方の陸上自衛隊駐屯地賠償保障専門官)

大ヒット上映中の「シン・ゴジラ」。戦闘の要は、ゴジラの持つ「核エネルギー」だという点で、自衛官たちの意見は一致した ©2016 TOHO CO.,LTD.

 もっとも、この水際で集められた部隊はあくまでも「オペレーションのサポート部隊」(元統合幕僚監部・将補)に過ぎない。対ゴジラ戦での主力部隊はやはり初動から展開まで、ずっと陸自・化学科部隊である。

「核をエネルギーとするゴジラに対抗できるのは、この分野を専門とする化学科部隊しかありません。対ゴジラ戦では核攻撃への対応を応用し、これを殲滅します。駆除、捕獲という選択肢はありません」(陸自化学学校関係者)

 だが「核攻撃への対応の応用」というだけでは、あまりにも抽象的だ。具体的には何を行うのだろうか。「詳細は言えないが…。原子力発電を“止める”原理の応用と考えてもらえばいい。極めて単純至極なそれです」(化学を専門とする2等陸佐)

 以上が、対ゴジラ戦において、自衛隊が考えるというオペレーションのひとつだ。