各模試の第一志望先はどこなのか
『本当に子どもの力を伸ばす学校 中高一貫校・高校 大学合格力ランキング』(ダイヤモンド・セレクト2023年8月号)の記事中にもあるように、24年の首都圏は小6人口が大きく減少する。ところが、4月の模試受験者数は前年比で遜色なく、24年も多くの受験生が中学入試に臨むことになりそうだ。学力が大きく伸びる夏休み前の7月模試でもこの勢いに陰りはない。
以前、4月模試における男女別学校と共学校の第一志望先はどこなのかを見た。前回は7月模試について、第一志望先とともに実倍率上昇が予想される人気の入試を見た。今回は、共学校男子受験生の状況を見てみよう。
模試ごとに第一志望先として人気の学校を挙げてみよう。
サピックスの上位には男女別学の難関校がひしめいており、10位内には渋谷教育学園幕張(渋幕)と渋谷教育学園渋谷(渋渋)の2校が入った。30位内でも、慶應義塾中等部と慶應義塾湘南藤沢中等部の2校が加わるのみだった。
四谷大塚では、早稲田実業学校と青山学院中等部が上位10校に入った。30位までには、市川、中央大学附属、法政第二、慶應義塾中等部、明治大学付属明治といった具合で、市川以外は大学の付属校である。
首都圏模試では、30位までに男子校が5校ある以外はすべて共学校となっている。1位から順に挙げていくと、芝浦工業大学附属、法政大学第二、中央大学附属、日本大学第二、成城学園、中央大学附属横浜、青山学院、青稜、国学院大学久我山、神奈川大学附属といった具合で、大学系列でない学校は青稜のみとなっている。一つ興味深いのは、成城学園と中央大学附属横浜の志望者数は、女子が男子の2倍という点だろう。後者の前身は、横浜山手女子である。
これら三つの模試に共通しているのは、人気の共学校はおおむね大学の系列校である点だ。この後は、先の三つの模試に日能研を加えた7月(サピックスは6月)の四模試受験生が挙げた人気の入試について、志望者数の増減と実倍率・予想倍率について、今回は男子受験生の現状を見ていきたい。