ハイパーインフレを恐れて
住宅購入に走る消費者

 住宅価格の暴騰をなんとか沈静化したいとする北京地方自治体は、2010年12月18日に起こった住宅購入争奪戦に、愕然とするばかりだった。

 北京市内から車で1時間かかる郊外の房山区長陽では、最低価格が1平米当たり1.7万元の住宅が売り出された。848セットの住宅に対して、7000以上の「買い物」客が殺到して、18日に売り出された当日に、完売となった。

 北京の平均的な労働者の年収は、3、4万元だ。公称面積の中には、20%は緑地、公共スペースが加算されているので、住宅面積が100平米と言っても、実質は80平米しかない。長陽までは、大変渋滞している高速道路以外には、まだ地下鉄のような交通手段はない。それにしても年収の30年分以上のお金を出して、大根や白菜を買うがごとくに、多くの消費者はそこの住宅を買っていった。

 ハイパーインフレがやってくるのを恐れて、多くの消費者は、住宅の購入に走っている。

 2010年12月に中国政府が公表した11月のCPI(消費者物価指数)は前月比5.1%、ここ28ヵ月で最高の上昇率となった。それは適正水準の3%を大幅に上回り、ハイパーインフレの領域に入ろうとしている。

 抽象的な数字であるCPI5.1%の上昇よりも、11月に穀物価格が先月に比べて14.7%、植物油が14.3%、果物が28.1%、卵が17.6%などそれぞれ値上がりしたことによって、一般市民は、切実にインフレの到来を感じていた。