あなたは、アマゾンにどういう印象を持っているだろうか?「便利」?それとも「怖い」?「アマゾンエフェクト」という言葉がある。これは、簡単にいうとアマゾンが与える影響のことだ。
影響先は、競合する企業だけではない。経済や産業など、もっと広い範囲を変える可能性がある。
アマゾンは、経営学の革命である。近い将来、必ず経営学の教科書に載るだろう。アマゾンを研究することは、ビジネスの最先端を知ることであり、未来の社会を知ることだ。本連載では、成毛眞氏の最新刊『amazon 世界最先端の戦略』から、一部抜粋してアマゾンの戦略を解説する。

事業を拡大するなら、アマゾンを使うのがいちばん早い

中小企業にとっては、アマゾンを利用することは海外展開の足掛かりにもなる

ある企業が、新たに何かを輸出したいと思ったとしよう。輸出には、さまざまな制限がかかる。

まず、たくさんの申請が必要だ。税金もかかる。時間も人手もお金もかかるのだ。中小や零細企業にとっては、輸出処理は大変なことである。

しかし、これもアマゾンを使えば解決できる。輸出をしたい国のFBA(第7回を参照)を利用するのだ。