アマゾンのIT技術が安価に使える

国によっては輸出ができる商品とできない商品があるが、OKなものはアマゾンがすべて代わりに輸出をしてくれる。海外進出の足掛かりとして使う企業も多い。

特に、ヨーロッパ圏では、2016年に「汎欧州FBA」が始まった。

配送エリアがEU全域になり、出店者は、EU内の他国の顧客に注文品を届けやすくなった。これを使えば、中小や零細の企業でも国境をまたぎ、輸出ビジネスを簡単に開始できるのだ。

EU圏内の客も、外国からの出店者の商品をより早く、安価な配送料で手に入れられる。出品する企業がすることは国内と変わらない。

商品をアマゾンに登録し、地元のアマゾンの倉庫に商品を送るだけだ。

そこからアマゾンは、各地域における需要をこれまでの購買データから予測し、商品を欧州7ヵ国・計29ヵ所の倉庫に自動的に分配する。

顧客から注文が入れば、顧客に最も近い倉庫から発送される。

近い将来、アジアや中東など、さまざまな地域でこれと同じことができるようになるだろう。

この越境ECは、高度なIT技術があるからこそできる。

国際拠点間にまたがる在庫管理をはじめ、物流業者や金融機関とのシステム相互接続、自動倉庫や膨大な人事管理など、すべてITが実現している。

そしてそのことこそが、アマゾンの他が追随できない強みにつながっていく。