イラン司令官Photo:Reuters

 イランの支援を受けた民兵組織とイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のガセム・ソレイマニ司令官を狙ったイラクでの米国の空爆は、必要ではあったが、こうした行動は常にナショナリストの反発を招くリスクを伴う。イラク議会が5日、同国から米軍を追い出すよう求める象徴的な決議案を可決したことも、反発の一例だ。しかしこの決議案は、最後通告にはほど遠いものでもある。

 今回の投票は、決定的なものではなかった。拘束力のないこの決議案の投票に参加した議員は、イラク議会の329人の半数をわずかに上回っただけだった。イランのコッズ部隊と協力するイスラム教シーア派武装組織「神の党旅団(カタイブ・ヒズボラ)」は、決議案に反対する議員に警告を発していた。同組織は先週バグダッドの米国大使館を襲撃した。

 過半数の議席を占めるシーア派の議員らの大半は、決議案に賛成票を投じた。その一方でクルド人とスンニ派の議員らは、議会を欠席した。これらイラクの少数派勢力は、イランによる支配のリスクを誰よりもよく理解しており、米軍の駐留継続を支持してきた。