病室に患者用無料Wi-Fi導入がやはり必要な理由民間団体「#病室WiFi協議会」記者会見の様子(筆者撮影)

9月、全国の地域の拠点となる病院で「患者が病室で無料Wi-Fiを使えるかどうか」民間団体が調査し、都道府県別の導入率ランキングと病院名を公表した(*1)。今後、患者が入院する病院を選ぶときの指標の一つになるとみられる。病院の医療情報システムとネットワーク構築は建築構造上も含めて複雑だが、大別して3つのポイントに集約できる。(医療ジャーナリスト 福原麻希)

患者が持ち込むモバイルWi-Fi等で
医療機器等の動作不具合が起きている

「病院の病室に無料でWi-Fiを入れてほしい!」と元フジテレビ勤務で、現在はフリーアナウンサーの笠井信輔さんらが集まる民間団体「#病室WiFi協議会」が活動している。笠井さんは悪性リンパ腫の治療を受けるため入院したところ、昨年4月のコロナ感染拡大による1回目の緊急事態宣言時期と重なり、家族や友人と面会できず、孤独な闘病生活を体験した。

 そのとき、学生時代の友人らがスマートフォンの画面を通して集まったことは、笠井さんにとって実際にお見舞いに来てくれたと思えるほどうれしく、「とても救われた」という。だが、3カ月半の入院期間中、スマホの通信機能を使ってインターネットにつなぐ「テザリング」でデータ通信量を追加したところ、毎月、1万円以上かかった。