中華料理店がコロナ禍に続々開業、銀座の高級店にも町中華にも共通する商魂写真はイメージです Photo:PIXTA

厳しい飲食業界、しかし中華料理店は・・・?

 緊急事態宣言も解除され、コロナ感染者数も奇跡的に減少している。コロナ禍の影響で大打撃を受けている飲食産業は少しばかり活気を取り戻しており、胸をなでおろした飲食業の経営者も多いだろう。

 しかし、コロナ禍が残した爪痕が生々しい。

 帝国データバンクが発表した「全国企業倒産集計2020年報」によると、2020年の1年間に倒産した飲食店は780件に上り、過去最多となっている。

 今年の上半期(1〜6月)も厳しかった。東京商工リサーチは、同期間の飲食業倒産(負債1000万円以上)は330件と発表している。前年同期と比べ21.0%減少しているが、国や自治体、金融機関などによる資金繰り支援があったから、飲食業の倒産が大幅に抑制された。しかし、報道によれば、新型コロナ関連の倒産は145件で倒産件数の半数に近いという。コロナ禍の打撃を受けた飲食業界は、依然として深刻な状況から脱けだせていない。

 一方、日本国内の中華料理店を見渡すと、やや風景が違う。コロナ感染拡大の最中にもかかわらず、東京・池袋の西口に行くと、中華料理店の新規開店が後を絶たない。コロナ禍に強い中華料理店という印象を池袋に来ると感じる。

 ただ、「新しい中華街」とも言われる池袋西口エリアが、急増している在日中国人消費者を相手に商売するという特別な需要を背負っているから、一般の飲食業とはやや事情が違う。なので、本稿では、これ以上掘り下げて議論しない。

 全体的に見ると、コロナ禍の打撃を受けながら、逆に危機的な局面をビジネスのチャンスとして捉えて、新規開店をする新華僑系中華レストランが結構多い。まわりの在日中国人の友人からも「この頃、新規開店の招待状が結構届いている」と言われた。