部下の思いつきの案にすがる上司に足りない思考プロセスとは写真はイメージです Photo:PIXTA

経営コンサルタント・西村克己氏の新著『できるコンサルタントがしている ロジカルシンキングの技術』からの一部抜粋で、ロジカルシンキングの基本をレクチャーする。今回は、チームでアイデアを出して解決策を求めていくうえで役に立つ「発散―収束」のプロセスついて。

頭が柔らかい人は
「発散―収束」で考える

 わたしたちの思考は狭い範囲の中で限定されているため、今までの延長線上で考えるクセがついていて、発想転換をしにくくなりがちです。視野を広げて、よりよい解決策を探すために「発散―収束」をワンセットで考えることをお勧めします。

「発散」とは、より広い可能性の中から解決策を探し出すために、アイデアや情報収集に努めて、より多くの情報を得ることです。「収束」とは、玉石混淆の情報の中から優先順位をつけて整理・厳選することです。

 わたしたちの思考を停止させるのは、「いいアイデアを出さないといけない」「いつまでにまとめなければいけない」という義務感や緊張感です。義務感や緊張感を感じると気持ちが受け身になり、自由な発想が妨害されます。よりよい解決策を生み出すためには、自由な発想でアイデアを出し、可能性を広げるプロセスが不可欠です。