モノ消費の減少、株式市場には災いかPhoto:Spencer Platt/gettyimages

――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 米国の大手上場企業は、米国企業全体を表すものではない。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下では、このことは大方、株式市場にとって幸いだった。だが今後数カ月は災いとなる恐れがある。

 S&P500種指数構成企業をざっと見ただけでも、多くの企業がモノ(財)の製造、販売を行っていることがわかる。500社のうち、216社は製造業と小売業に分類される。だが、米商務省のデータによると、製造業や小売業は米国の民間企業全体の約6分の1、労働省のデータからは、民間部門の雇用者数の5分の1強を占めるに過ぎないことがわかる。

 さらに、ファクトセットの推計によれば、昨年のS&P500種指数構成企業の売上高の約半分は、製造業と小売業によるものだった。しかし、商務省の統計によれば、昨年の第1~第3四半期(1-9月)の総産出(GO)による民間部門の売上高(季節調整済み)において、製造業と小売業が占める割合は4分の1未満だ。