リスキリングまるわかり!「社外からの人材調達」が全くの見当違いである理由リスキリングは人々の選択肢を増やし、自由を広げる Photo:10'000 Hours/gettyimages

情報処理推進機構の調査によると、社員の学び直しに力を入れている米国企業の82.1%に対し、日本企業は33%という。さらに「実施していないし検討もしていない」企業は、米国の9.8%に対し、日本は46.9%に上る。日本経済の「失われた30年」を裏打ちしているようで、残念なデータである。ではなぜ今、「リスキリング」に注目が集まっているのか? そもそも「リスキリング」とは何か? リスキリングに関心のある社員も、社員へ実施したいと考えている管理職や経営陣も、まずはしっかりと基本を知っておこう。(ダイヤモンド社編集委員 長谷川幸光)

20代前半までに受けた教育が
80代まで通用するとは考えにくい

「70歳、80歳、100歳になった自分が今の自分をどう見るか」――。

 世界中でベストセラーとなっている『LIFE SHIFT(ライフ・シフト) 100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)だが、とりわけ日本で非常に売れている。

 寿命が100年となる時代、我々の働き方や生き方はどのように変わり、どのような人生設計をすべきかを提示したもので、まさに長寿化時代を迎えようとする日本人が抱く「漠然とした不安」に応えようとする内容だ。

 これまでの時代は、「教育→仕事→引退」という3つのステージの生き方で問題なかったが、寿命が延びることで「仕事」のステージがぐんと延びる。20代前半までに受けた教育の方法が80代まで通用するとは考えにくい。「労働市場の変化に対応するために、人生の途中で時間を割いて新しいスキルの習得に投資し、新しいテクノロジーを受け入れる必要がある」というのだ。

 つまり、人生が長くなれば、変化を経験する機会が増える。3ステージではなく、マルチステージの人生を生きることとなるだろう。そのためには「新しいスキル」を習得し、選択肢を持っておくことが重要だというのである。

 同書内ではこのように述べている。

「これから訪れようとしているのは、スキルの価値が瞬く間に変わる時代だ。そういう時代には、手持ちのスキルでよしとせず、新しいスキルの習得に力を注がなくてはならない」

これからの数十年で、労働市場に存在する職種は大きく入れ替わる。古い職種が消滅し、新しい職種が出現するのだ。(中略)労働市場が急速に変化するなかで、70代、80代まで働くようになれば、手持ちの知識に磨きをかけるだけでは最後まで生産性を保てない。時間を取って、学び直しとスキルの再習得に投資する必要がある

世界でいち早く長寿化が進んでいる日本は、ほかの国々のお手本になれる。多くの人が100年以上生きる社会をうまく機能させるにはどうすべきかを、世界に教えられる立場にあるのだ」

「新しいスキルの習得」について努力すべきなのは、従業員だけではない。同書の共著者であり、ロンドン・ビジネス・スクール教授のリンダ・グラットン氏は、ダイヤモンド・オンラインのインタビューで、企業側の役割として次のように語っている。