IQが最も伸びた子ども、「テレビ・ゲーム・SNS」どれに時間を割いていた?写真はイメージです Photo:PIXTA

 一般的に子どもへの悪影響が懸念されがちなビデオゲームだが、その懸念とは裏腹に、ビデオゲームは脳の働きを高める可能性のあることが新たな研究で示唆された。ビデオゲームに平均より長い時間を費やしていた小児では、2年後に知力が大幅に増加していたことが確認されたという。カロリンスカ研究所(スウェーデン)認知神経科学分野教授のTorkel Klingberg氏らが実施したこの研究結果は、「Scientific Reports」に5月11日掲載された。

 Klingberg氏らは、9~10歳の小児9,855人分のデータを用いて、3種類のスクリーンタイム(テレビや動画の視聴、ビデオゲームのプレイ、ソーシャルメディアの使用)が小児の知力に及ぼす影響を検討した。小児のデータは、米国の小児に関する長期大規模研究であるABCD(Adolescent Brain Cognitive Development)研究のデータから抽出した。知力については、試験開始時と2年後に実施された一連の認知テストの結果を分析して評価した。ただし、2年後に追跡された小児は5,374人のみだった。