「おもちゃ」と思っていたら痛い目に遭う

 IoTを語るときによく引き合いに出されるものの一つに「3Dプリンタ」があります。

 3Dプリンティングは世の中の仕組みを大きく変える可能性を持っていますが、IoTと結びつくことで、その変革力は何倍にも増幅されることになります。

 3Dプリンタは数年前までは高価なものでしたが、今では5万円も出せばパーソナル用のマシンを購入できます。

 世界で初めて3Dプリンタを発明したのは日本人だったといわれています。ところが、日本国内ではその発明があまり重視されないまま、アメリカ企業が特許を取得した経緯があります。

 本当ならば、ものづくり社会である日本でこそ、3Dプリンタを活用して「ものづくり2・0」とでも呼べるようなイノベーションを実現しなければならなかったのに。とても残念に思います。

 こう言うと、「オタクのおもちゃのような3Dプリンタで、日本のものづくりを変革できるはずがない」と反論したくなる人もいるでしょう。

「おもちゃのような」

 これは、IoTの禁句です。

 しかも、3Dプリンタは、すでに「おもちゃ」ではありません。