何のために存在するのか何のために活動するのか<br />それを考えることが経営だダイヤモンド社刊
1470円(税込)

「組織が存在するのは、組織自身のためではない。企業をはじめとするあらゆる組織が、社会の機関である」(ドラッカー名言集『経営の哲学』)

 組織は、社会、コミュニティ、個人のニーズを満たすものである。それができずして、人に命令したり、資源を使ったり、空間を占有することが許されるはずがない。

 社会のニーズに頓着しないでいられる組織は、崇高な宗教団体や利己的なギャング団ぐらいのものである。

 その証拠に、役に立たなくなった企業や特殊法人がつぶれても、当事者以外は、誰も残念には思わないものである。

 あまりに当たり前過ぎて、拍子抜けするぐらいである。つまり組織は、世のため人のためのものなのだ。

 世のため人のためにあるとき、組織は繁栄する。逆に自分自身のためとなったとき、あっという間に左前、転落の一途をたどる。

 転落しないためには、自分たちの組織が、社会、コミュニティ、個人のどういったニーズに応えているのか、常に関心を払うことが大事だ。

 したがって、自分たちは何のために存在するのか、何のために活動するのかを考えることなくして、経営はない。

「まずマネジメントが行うべきことは、自らの組織があげるべき成果を明確にすることである。これは、実際に取り組んでみれば明らかなように、最も難しく、最も重要な仕事である」(『経営の哲学』)