ギリギリまで勝負をかける傾向に
「空前の入試状況になっている。特に東京が凄い。志願者が上位の男子校、女子校および有名大学付属校に押し寄せた結果、これらの倍率が最高潮もしくは高止まりしており、かなり厳しい入試状況が予想される。これから午後入試の併願や倍率緩和校への志望変えも起こるだろう。中学入試は1つのピークを迎えている」
中学入試を長年見つめてきた森上展安・森上教育研究所代表がこう話すように、2020年の首都圏中学受験は東京を中心に、空前の盛況といっていい状況にある。その背景には、東京での小6生増加、2021年度以降の大学入試の状況が未確定といった要因がある。
2020年入試の特徴としては、難関上位校の志願者が増えている点が挙げられる。強気の姿勢がうかがえ、別学校にも人気が戻っている。大量に合格者を出す埼玉での「成功体験」が東京・神奈川で通用するというわけでもないのだが……。
もう1つ、受験生と親の短期決戦志向を反映して、午後入試を実施する学校が男女別学校・共学校を問わず、顕著に増加している。午後入試への出願もギリギリまで考える余地があるため、どこまで志願者が増えるかは分からない。
最近ではウェブ出願が主流となり、学校によっては試験日前日あるいは当日の朝、午後入試の場合は試験開始直前まで受け付けるところも出てきており、最終的な実倍率はふたを開けてみないと分からない状況にある。
それでも、願書の持参を求める学校が依然としてある。男子校は芝、攻玉社くらいだが、女子校では桜蔭、雙葉(郵送も可)、東洋英和女学院、頌栄女子学院、学習院女子、横浜雙葉などその数は多い。どのような児童が受験するのか、確認したいという気持ちもあるからなのだろう。
今回は、基本的に1月24日時点での主な学校の志願者数のデータを掲載した。男子校・女子校・共学校ごとに、すでに出願を締め切っている入試と、これからでも出願が間に合う入試に分けて一覧表を載せた。
ギリギリまで勝負する傾向が顕著になっているので、特に「まだ間に合う」入試の志願者数についてはあくまでも参考値としてご覧いただきたい。締め切り直前に大きく数を増やす可能性が大きいからだ。一部の学校では志願者数を非公表としているため、その場合は2019年の実績値のみを掲載している。
まずは男子校の状況から見ていこう。