保護アクリル板の設置などで感染拡大防止設備の充実に力を入れる学習院 写真提供:学習院中等科・高等科

感染拡大防止のため校内改造中の学習院

 緊急事態宣言解除後、各学校はどのように対応したらいいのか。前例がないだけに教員も悩ましい。

 学習院中等科・高等科では、感染拡大防止の設備を6月第1週までに整備すべく、対応に追われている。

 まず、全生徒のホームルーム(HR)机に保護アクリル板の設置を手配した。教員には大型のアクリル板とフェースシールド、マイク設備などが用意される。机の改造後のイメージは写真をご覧いただきたいのだが、これだけでも教室内の風景は一変するだろう。

 食堂でも、イメージとして教員自作の仕切り板がこのような形で設けられることになりそうだ。

 いざ登校が始まるとなると、通勤ラッシュ時はできるだけ避けたいという保護者からの声は当然予想されるだけに、カリキュラムの調整にも対応しなければならないだろう。

 当面、部活動などは休止が続くことになりそうで、新型コロナ禍のはざまで生徒にどのような教育をしていけばいいのか、模索が続くことになる。

 オンライン授業の立ち上げやその実施内容では学校間の差はかなり大きい。ここに来て新たな課題が浮上した。中間試験(考査、テスト)である。例年、5月中旬から下旬に実施される例が多い。これをどうするかで、各校の対応は分かれている。

 東京都立の高校は、1学期の中間試験はやらないことを早々と通知している。

 私立中高一貫校でも、5月の中間試験は行わない学校が結構多い。今回、男子校を中心に調査をしてみた。冒頭の学習院も休校が5月末までと決まった時点で中止している。とはいえ、内部進学の際の推薦条件に成績が影響するため、その評価は慎重に行わないといけない。この点で、現在検討が進められている。

 攻玉社中学校・高等学校も、中間試験をなくして授業時間に充てている。ゴールデンウイーク明けの5月7日に「授業動画配信ポータルサイト」を立ち上げ、この2週間で授業動画が400本を突破というすごい勢いで対応が進んでいる。教室での授業再開後も、これら動画配信との併用を進める考えで、コロナが教育の進め方にも影響を与えている。