新年度早々、休校が続く小6生を待ち受ける「2021年中学入試」は前代未聞の姿になりそうだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「本当に入試ができるのか」という意見も出るほど先行き不透明な2021年中学入試。首都圏の私立中高一貫校では、例年6月くらいには主な入試の告知が行われ、作問にもとりかかっている。今年はどのような状況になっているのか。森上展安・森上教育研究所代表に、現場の状況をうかがった。(ダイヤモンド社教育情報)

自宅学習でのメリット・デメリット

 緊急事態宣言が5月末まで全国的に期間延長された。昨年度末から3カ月間、学校に通えずにいる生徒も少なくない。とりわけ、入試を控えた小6生にとってその影響は大きい。

「勉強が一番はかどるのは、気候もいい今の時期です。中学受験塾でも小5までの単元学習が、小6のこの時期から入試問題に沿って編集され、どのように問われるかに移行します。生徒はこれから入試に慣れていく時期なのですが、新型コロナ禍によって、それがスムーズに進んでいないことは明らかです」

 現時点での遅れを夏休みや秋になってから取り戻すことは簡単ではない。

 学習塾への休業要請は床面積により異なる。1000平方メートル超の施設は使用停止で、大手塾を中心にオンライン授業に移行している。

 一方、100平方メートル以下の地元密着型の中小塾に対して使用停止の要請や協力依頼はなく、適切な感染防止対策を施した上での営業が認められている。そのため、生徒がオフラインで押し寄せてきており、午前・午後と時間を区切っての対応が続く。生徒との信頼感は得られるのだが、塾講師はへとへとになっている。

 公立校を中心に学校の授業はほとんどない状況下で、受験生には入試勉強の時間が確保できるというメリットはある。それでも、子どもが本当に理解しているのか、その表情から読み取るなど、たとえオンライン授業であっても、親が一緒に寄り添う必要がある。

 少なくとも6月までの主な模試は中止となっており、受験生が自分の学習の進捗(しんちょく)状況をつかむことは困難になりつつあるのが現状だ。

 私立中学の現場でも、2021年入試に向けた課題が山積している。