学校の発信力がうかがえるWeb説明会

 女子校を中心に、学校紹介のため作成されたビデオなど、Webでの学校説明会にはさまざま工夫がなされている。生徒のプライバシー保護のため、視聴は限定されるのだが、豊島岡女子学園は1人10秒足らずで次々に中1や中3の在校生を登場させていた。どのような先輩がいるのか紹介する一方で、教員と生徒の距離が近いことも印象づけられていた。

 学校付き牧師による開会のお祈りに始まり、お祈りで終わる香蘭女学校は、キリスト教主義の学校であることを強く語りかけてきた。

 校舎がたくさんある吉祥女子では、説明会終了後、構内巡回をライブ配信するという斬新な試みを行っている。校舎の間でWi-Fi環境が途切れる様子も含め、リアルだった。

 創立者の思いや伝統がどのように受け継がれているか。これは伝統校でも新興校でも同じように大切なポイントだが、例えば豊島岡女子学園では、毎朝5分間無心になって行う運針が集中力を高める所作として縫製学校という自らのルーツと共に受け継がれている。大妻のように「恥を知れ」という創立者の言葉を掲げながら、人生100年時代に向けた教育観として、50年もつ「大妻建築」という7つのコンピテンシーを提示する学校もある。

 卒業生の9割以上が系列大学に進む有名私大付属校では、大学受験を考えずに6年間を過ごすことの利点が多く語られる。

 明治大学付属明治では、生徒同士は競争するよりもお互いに助け合うという校風が語られる。早稲田高等学院中学部では入学式が大学の新入生同様、大隈講堂で行われ、10年間に及ぶ稲門の一員としての意識が涵養されていく。両校ともWebでの説明会となったが、早稲田は随時学校見学を受け入れているので、可能な日程については同校のサイトでご確認いただきたい。