出願者を大きく伸ばしそうな中堅校

 偏差値40台のE・Fランクは受験生のボリュームゾーンである。入試回数も多いため、1回目の出願者数は比較的少ないのだが、次ページの表3を見ると分かるように、男子でもこのランクでは出願者を増やす勢いの学校が並んでいる。実倍率の高い大学付属校を除き、特にFランクの入試が盛況だ。

 今年も絶好調な日本大学系列では、秋口からの予想通り日本大学豊山が予想倍率4.9倍と激しく伸ばしそうだが、実際の出願者の勢いもそれに近い。日本大学第二も予想倍率3.4倍と好調だが、現状ではそこまで伸びる勢いはなさそうだ。校名改称で系列入りして以来人気が続く目黒日本大学も好調で、上積みが期待できる。一方で、日本大学藤沢は大きく減らす状況で、予想倍率2.3倍に向け緩和しそうな勢いを感じる。

 12月時点での志願者状況とのギャップが目立つ入試としては、神奈川の湘南学園の緩和傾向と出願者実績が100人を下回っているものの森村学園と桜美林の勢いが挙げられる。減少予想が増加に転じた例としては、東京電機大学と安田学園が目に付く。

 Eランクでは、実倍率の上がり過ぎた東洋大学京北と淑徳が減らしそうで、表にはないが、Fランクの武蔵野大学も現状では大きく減らしそうな勢いにある。一方で、2019年に開校したドルトン東京学園は、1日2科・4科はすでに前年実績を超え、さらに伸ばしている。2日の2科・4科と2科も増やしており、成城学園をはじめとする私学需要の高い世田谷区の学校として存在感を示している。

 “湾岸系”と呼んでもいいかもしれないが、青稜は予想倍率4.3倍に向け、かえつ有明は3.7倍に向けてそれぞれ増加傾向にある。その流れで、湾岸タワマンキッズが受験しやすい東京メトロ有楽町線沿線の獨協や日大豊山、都営大江戸線沿いの安田学園などの人気も高い。

 特に男子校が共学化した安田学園は、1日と2日の午前と午後に多くの入試を設定しているが、いずれも男女共に出願者数に勢いがある。特に1日午前の一般1回では男子の出願者数はすでに前年を大きく超えており、さらに上積みする勢いとなっている。Dランクにある開智日本橋学園と似たような隅田川近くの人気校となっている。

 神奈川では、桐蔭学園が予想倍率4.3倍に届くかは別にして増加基調で、実倍率1.7倍の1日午後と同3.4倍だった2日はさらに勢いを増している。実倍率2.3倍の関東学院は絶好調で、昨年の出願者数が同校では最多の1日午後のBも、3日のCも出願者数増加の勢いにある。