埼玉と千葉の人気上昇入試

 ここからは前年比で1割以上、7月模試の志望者数を増やした入試を中心に見ていこう。埼玉と千葉、そして茨城に関しては、男子受験生の動きに比べて女子は穏やかで、志望者数倍増といった入試は見られない。

 1月10日から入試が始まる埼玉で1000人を超えるのは、14日の浦和明の星(1回)だけである。前年比志望者増加数は3%弱でほぼ前年並みといっていい。それに次ぐ900人台半ばには13日の淑徳与野(1回)があるが、こちらも同2%弱の増加と同様の状況にある。

 300人を超える入試としては、前年は600人弱だった10日の栄東(1回)が1割弱減らしているが、21年入試同様、最初の入試を2日間に分けて行うため、その分散状況も考えなければ実際のところは分からない。10日では大宮開成(1回)が3割強増やし、ここ数年の増加傾向が22年入試でも続きそうである。

 200人台後半では、10日の青山学院大学系属浦和ルーテル学院(1回)が4割強、11日の獨協埼玉(1回)が2割半、200人台前半では10日の開智(1回)が1割に満たない人数を上積みした程度で、この他にはあまり大きく伸ばした入試は見られない。

 100人台では、16日の栄東(東大特待)が8割増と大きく伸ばし、男子同様人気だ。11日の開智(先端特待)は4割増やして100人を超えた。

 50~99人の入試では、星野学園が11日の午前は1割強、午後は5割半増やしており、前年からの人気が続いている。12日の浦和ルーテル学院(2回)も3割増やした。一方、10日の西武学園文理(1回)は5%ほど減らしている。

 1月20日からの千葉には1000人超の入試はなく、多くても600人台となっている。20日の市川(1回)は600人台を維持しているが、前年よりも6%強減らした。21日の東邦大学付属東邦(前期)は5%減らして600人割れとなるなど、現状ではいずれも緩和気味だ。

 300人以上では、20日の専修大学松戸(1回)が1割伸ばして400人台半ばに乗せた。23日の芝浦工業大学柏(1回)は6割弱も増やして300人台半ばとなった。男子受験生同様、両校とも22年入試の人気校となりそうだ。21年入試で大きく減らした22日の渋谷教育学園幕張(1回)は5%増でほぼ400人と回復基調にある。22日の昭和学院秀英の2回目は400人台前半で前年並みとなっている。

 いまや県内に2校だけとなった女子校の一つ、20日の和洋国府台女子(1回)は3割増で300人台に迫っている。200人台半ばでは、麗澤(1回)が5割増と好調である。200人まであと一歩、千葉日本大学第一は21日(I期)が6割弱、26日(II期)が3割半それぞれ増やしており、倍率予想は2倍台後半と6割超となっている。

 また、100人台になった入試としては、24日の光英VERITAS(特待)が前年比2.3倍、25日の昭和学院(アドバンストチャレンジ)が2.4倍といずれも大きく増加、人気化しそうで、予想倍率も6倍強、4倍台後半と結構な競争となりそうだ。

 千葉では公立中高一貫校の志望者が、いずれも100人前後なのだが、増えていることにも注目したい。24日の千葉市立稲毛が6割増、県立東葛飾が3割増で、いずれも予想倍率は10倍を超えている。

 最後に茨城にも触れておこう。1月9日の茗渓学園(1回)は5割半増やして100人を超えた。17日の江戸川学園取手(1回)も2割半増やして200人台半ばと好調である。