ヴォーリズが設計した旧校舎(1933年)の意匠を生かして、1996年に再建された現校舎

石澤友康(いしざわ・ともやす)
東洋英和女学院中学部部長

 

1963年山形生まれ。東京理科大学理学部卒業後、86年より東洋英和女学院の理科教員に。2004年中学部教頭、07年高等部教頭、14年から現職。

 

 

受験生の人気が急上昇

――模試での志望状況を見ていると、2月1日は前年比2割増と大人気です。倍率には年によって波がありますが、23年入試は難しくなりそうですね。

石澤 そんな雰囲気があります。

――学校説明会などは多いですか。

石澤 入試広報の担当者がどんどん増やしてくれているので、何回も同じ話をしています(笑)。そのおかげかもしれません。

――栄光学園の望月伸一郎校長も、「新型コロナ禍で学校説明会を開けなくなったら、志願者がちょっと減ってしまった。やはり大事だなあ」とおっしゃっていました。

石澤 大事だと思います。直接来てもらわないことには、学校の雰囲気が分かりませんから。今年から校内見学ができるようになり、高校生だけでも70人ほどがボランティアで受験生をご案内しています。うちの生徒と話してみたら、「全然イメージと違った」と受験生の保護者の方に言われました。

 2023年の入試では、受験生本人とお会いして確認したいので、2年間止めていた面接を復活したいと思っています。キリスト教学校ですので、その点でずれると生活できませんから。ところで、本校にはどのようなイメージをお持ちですか。

――元気な子が多いですね。

石澤 よくご存じで(笑)。

――塾をやっていましたから(笑)。世間一般からはどのように見られているのでしょう。

石澤 幼稚園や小学部があるので、ハードルが高い印象を持たれている受験生のご家庭がとても多いようです。でも実際には、本当に元気で伸び伸びしている子が多いです。

――卒業生ですと、阿川佐和子さんが私のイメージです。

石澤 うちの学校の典型です(笑)。母や祖母、中には5代続けてというご家庭もあります。中高部は、小学部から80人、中学部で120人、合わせて1学年200人と、ちょうどいい感じです。

――伝統的な女子校は元気な方が多いですね。同じルーツの麻布のイメージで入ってこられる方もいらっしゃる?

石澤 それはないです(笑)。でも、お父さんやご兄弟が麻布という生徒は結構いますね。

――行事などを麻布と一緒にやることはないのですか。

石澤 昔はありましたが、いまはないですね。麻布の運動部の生徒がこのあたりを走っているのと、バレンタインになると門の前に高校生が立っているくらいで。「みんな無視しちゃだめだよ、かわいそうだから声くらい掛けてあげなさい」と言っています(笑)。

――文化祭は開放されているのですか。

石澤 残念ながら友だちしか呼べません。それがまた、秘密のベールになっています(笑)。

現在はボイラーの排気が出ているが、かつて焼却炉からの煙を排出していた煙突は、六本木のランドマークでもあった(左上) 内側から見た正面玄関の扉には90年前の意匠が生きている(右上) 昔の礼拝堂が復元され、クラス礼拝やYWCAの集会などで活用されている(左下) 六本木ヒルズも近い(右下)
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