
高橋洋一
第63回
アベノミクスで、はやくもバブルの再来を懸念する声が上がっているが、それは1990年代のバブル崩壊の悪いイメージがあるからだろう。だが、バブル崩壊の悪影響を拡大させたのは、日銀の金融政策の誤りだったのである。

第62回
日銀の新指導部が発足した。はたして、日銀理論は放棄されるのか、維持されるのか、今後のアベノミスクを占う意味で重要になってくる。そこで、今回は「日銀理論」とその背後にある貨幣数量理論の妥当性を検証してみよう。

第61回
衆議院において、黒田日銀総裁候補、岩田、中曽同副総裁候補の所信聴取が行われたインフレ目標達成に対するコミットメントを軸に3人を評価すると、日銀をも含む官僚の特性が見えてくる。

第60回
与野党が国会同意人事ルールの撤廃で合意した。これでマスコミは日銀総裁人事を自由に報道できる。一方、公取委委員長人事に民主党は賛成するという。これは同時人事ルールの狙いであった官僚支配の防止が、崩れ去ったことを意味している。

第59回
日銀の白川総裁が任期途中で異例の辞任を発表した。これを受けて為替は円安に動いた。これを見る限り遅すぎた辞任と言えるだろう。では、次の日銀総裁はどのような資質を持った人が適任だろうか。

第58回
1月22日の金融政策決定会合で、日銀はようやくインフレ目標2%を決めた。インフレ目標の導入は高く評価できるが、予定されているマネーの供給量をみると、インフレ率2%の達成には力不足だ。

第57回
今回は、1月8日付け辻広雅文氏の「インフレ・ターゲティングは万能薬か」を取り上げ、 改めて金融政策への誤解を解く。問題は2次情報に依存するマスコミや学者の姿勢にもある。

第56回
依然としてくすぶるインフレ目標反対論への反論の2回目。今回はハイパーインフレが起こる、金利が上昇する、財政規律緩むといった「弊害論」を検証する。

第55回
12月に開かれた日銀の金融政策決定会合で、日銀はインフレ目標設定に前向きの姿勢を見せた。だが依然として、インフレ目標に対する反対論がくすぶる。そこで2回にわたり「インフレ目標」に対する反論に反論する。今回は無効論を検証する。

第54回
本来なら雇用を最重視する革新政党が、金融緩和策に懐疑的だ。欧州の左派政党は雇用確保に向け金融政策の活用を重視する。日本の革新勢力は、安倍自民にお株を奪われ、大きなチャンスを逃したようだ。

第53回
安倍晋三自民党総裁が打ち出した金融緩和政策に、市場は素直に反応して、円安、株高になっている。一方、金融緩和の効果を疑問視する意見もある。それらの疑問はおよそ6つにまとめられるので、今回はそれらに答える。

第52回
14日の党首討論で、野田首相が16日解散を明言して、12月16日投開票と決まった。首相は「TPPを争点に」というハラらしいが、景気後退が始まった今、選挙の争点は果たしてそれでよいのか。

第51回
30日、日銀は2カ月続けて金融緩和を決めた。デフレ脱却に向けた政府・日銀「共同文書」も、初めて発表したが、その中身を見るとデフレ対策にも矛盾があり、日銀の責任をあいまいにする奇妙なものになっている。

第50回
先週、東京でIMF・世界銀行年次総会が開かれた。日本のマスコミは中国要人の欠席と財政再建路線の容認ばかりを報道しているが、実はIMFは「財政健全化を急ぎすぎるな」というメッセージを送っているのだ。

第49回
野田首相が内閣改造は「フェアウェル内閣」だと、散々な言われようだが、意外と面白そうな人もいる。注目は、原発推進派の田中真紀子文科相と、デフレ脱却に強い意志を見せる前原誠司国家戦略相だ。前原氏には日銀法改正の期待もかかる。

第48回
次期総選挙では、政権交代となると予想され、自民党の新しい総裁は首相になる可能性が高い。同じ党だけに政策に大きな違いはないが、金融政策については微妙な違いがある。さて、5人の候補のうち、誰が総裁になれば、株高になるかを占ってみよう。

第47回
野田政権が誕生して1年。この機会に、過去3年にわたる民主党政権のパフォーマンスをみてみよう。領土問題では足下を見られ、株価、名目GDP、失業率ともに低迷している。デフレについては、いまや日銀は人口動態のせいにしているという有様だ。

第46回
「近いうち」解散・総選挙という情勢の中で、台風の目は橋下徹大阪市長が率いる「大阪維新の会」である。同会の政策のセンターピンは、地方分権とその財源としての消費税の地方税化。地方分権にして国のかたちを変えるのか、それが次期総選挙で問われている。

第45回
2030年の原子力発電比率を決める意見聴取会では0%支持が圧勝、関西電力管内では大飯原発の再稼働は不要だったという状況が続いている。こうした状況に官僚シナリオ追認の「決める政治」を行ってきた民主党政権は大あわてだ。

第44回
今、全国の注目を集めているオスプレイと原発問題。実はこの二つの構図は似ている。確率論をベースにしたリスクとリターンの視点で、この二つの問題にどう対処すべきかを検討してみよう。
