野田首相が内閣改造をした。民主党代表選は全く盛り上がらず、野党の自民党総裁選のほうが脚光を浴びるなどイマイチだった。内閣改造も論功行賞とかで、散々な言われ方だ。ある評論家は「フェアウェル内閣」と言い、民主党政権さよなら記念のようだと言っていた。現実問題としても崖っぷちの人が多いので、選挙のために大臣で箔を付けたい人が多い。
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何と言っても田中真紀子文科相
まったくその通りなのだが、外野から見ると、意外と面白そうな人もいる。まず田中真紀子文科相。さっそく、正式就任前の1日午後、男性の文科事務次官を議員会館の女子トイレに呼び出していたと報じられた。
田中文科相は、かつて小泉政権で外相を務めた際、外務省内を混乱させたとして更迭された経緯があるとともに、衆院外務委員長時に強引な委員会運営で停滞を招いた。独走しやすく、失言も多いので、閣僚としての手腕に大いに疑問があるのは誰でも知っている。
ところが、原発推進派の田中文科相は、1日、「2030年代までにゼロにするのは厳しい。(原発に代わる)代替エネルギーは、言うのは簡単だが、コストがかかる」と述べ、原発ゼロを目指しながら、原発存続を前提に核燃料サイクル政策は維持する政府方針を「大変矛盾している」と言った。
経済産業大臣には枝野幸男経済産業相が再任。9月14日に「革新的エネルギー・環境戦略」をエネルギー・環境戦略会議で決定したのち、経団連の米倉会長ら財界から猛反発を受けると、19日には、戦略そのものの閣議決定は見送り、閣議決定では「『戦略』をふまえて……柔軟性をもって不断の検証と見直しを行ないながら遂行」という、支離滅裂な文面になった。
原発はゼロと言いつつ燃料サイクルは維持、青森県の大間原発と島根原発3号機の建設継続は容認など、素人から見てもやっていることは明らかにちぐはぐだ。これに対して、田中文科相は、国民の素朴な感情を代弁している。