
山田 久
第4回
「市場主義1.0」および「市場主義2.0」は、経済システムにおける“市場原理の重視”に共通点を持つ一方、社会システムでは“市場原理重視vs政府介入重視”で、対照的である。実は90年代以降、現実には互いが接近する動きがみられている。その方向性の先にあるものが「市場主義3.0」にほかならない。

第3回
EU統合後の欧州諸国が目指してきた経済社会システムが「市場主義2.0」。その原型となった北欧諸国のモデルは、実は我々の常識と違い競争促進的だ。一方、低生産性部門から吐き出されてくる人々を、新たな職にシフトさせることを強力に支援する点に特徴がある。

第2回
「市場主義1.0」は市場原理尊重の考え方を世界の「常識」とする一方、格差拡大という限界に突き当たった。いま我々に必要なのは、「市場主義1.0」としての小泉改革の正当な再評価であり、新しいグローバル化時代に適合した社会システムを再構築することだ。

第1回
本シリーズではいま我が国を覆う閉塞感を突破すべく、わが国が立脚すべき「国のかたち」を考えていきたい。第1回となる今回は、戦後世界における国家ビジョンの類型と、主題である「市場主義3.0」の意味するところを提示しておこう。

第199回
野田新内閣は、「内」には原発事故を併発した東日本大震災、「外」には欧米のソブリン危機に直面している。この二つのがより重要なのは、日本が抱える構造問題を改めて浮き彫りにし、新内閣に対し、長年先送りされ続けてきた改革の断行を促しているということだ。

第3回
東日本大震災による失職者は45万~65万人と試算される。多面的なルートで失職が発生しているため、対策もまたその要因に対応したものでなくてはならず、また、短期と中長期の対策に分けて考えなくてはならない。
