
井出真吾
2022年後半はFRBの利上げペースの緩和で米国株は上昇に転じるが、日本株は企業が慎重に見た23年3月期業績予想の上方修正が相次ぐこともあって米国株を上回る上昇率になりそうだ。

東京証券取引所は3つの新市場区分に再編されたが、最上位のプライム市場は銘柄数が依然、多すぎて「看板の付け替え」の感が否めない。PBRやROEで銘柄を絞った上位の少数精鋭市場の創設も考えるべきだ。

2022年は世界経済の持ち直しや企業業績改善で、日経平均株価は年末3万2000円を目指す展開だ。半導体不足で今年の需要が先送りされた自動車のリベンジ生産が、業績相場をけん引する。

岸田政権発足後も弱含みが続く日経平均株価だが、原油価格上昇による企業収益悪化など経済のファンダメンタルズの減速モードが鮮明だ。「3万円台回復」は来年以降に持ち越される可能性が高い。

米国株価は2年以上先の企業業績改善を織り込んで割高なのに対し、日本の株価は逆に業績改善を反映しておらず割安だ。秋以降、FRBの緩和縮小開始の議論が始まると株価格差は縮小に向かう。

日本銀行は4月以降、ETF買い入れを大幅に縮小しているが、保有がゼロになる「出口」は程遠い。「最大の日本株株主」として、政策コストや国民負担を抑える難しい課題は残ったままだ。

株価が激しい動きを示すなかで、“レバレッジ型ETF”が投資家に非常な人気となっている。だがその仕組みや値動きの特性は必ずしも理解されていない。運用手法研究の専門家が、“利用上の注意点”を解説する。
