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田中泰輔
第35回
昨今の世界経済の先行き不安も半分は2009年から想定された道筋だ。日本人なら金融危機後の欧米のバランスシート調整にはそうとう時間がかかると実感的に理解できるだろう。

第158回
長期の為替は購買力平価で予測するとか、その購買力平価から見て対外投資は妙味がない、とする「専門家」の解説には面食らう。購買力平価は財の価格が各国で同じになるよう裁定が働いて為替レートが決まるという考え方だ。

第34回
ドル円相場は米景気サイクルに沿った変動が今も美しい。ドルは経常赤字を計上する世界最大の借金国通貨、円は経常黒字を海外に貸す債権国通貨。債務国通貨ドルが債権国通貨円より持続的に強いのは、米国へ日本など債権国マネーの流入が円滑に進む局面だ。

第146回
東日本大震災によって日本経済は下振れ、サプライチェーンへの打撃による供給制約で輸出が減る公算だ。日本銀行は強く長く金融緩和を進め、拡大必至の財政赤字には懸念が強まろう。一見すると円安で当然と思うだろう。

第33回
東日本大震災直後から海外市場で円高の「思惑」が高まった。しかし、そこには「誤解」がある。地震大国ゆえに地震保険が巨額だろうと海外勢は考えるが、日本の家計向けの地震保険は金額を抑えつつ、民間損保と政府の再保険とのあいだで完結する仕組みだ。

第32回
米国経済の脆弱な回復軌道はQE2、減税継続で下支えられた。新興国・資源国の見通しはさらに強く、株式などリスク相場への信認も強まっている。もっとも、明るい材料がストレートに投資妙味につながるわけではない。

第31回
米金利が上昇中だ。なかでも米国債2年物利回りが上昇基調になるほどに米国と世界景気がしっかりしてくると、ドル安・円高は一服し、日本の株価や景況感にしばし光明が差すステージに進む。そのことを韓国ウォンと円の関係から整理しよう。

第30回
ここ2年、米国が量的緩和を劇的に進め、マネー量の日米相対比は大幅に下振れ、ドル安・円高側に傾斜している。日銀も量的緩和を拡充しているが、米国の量的緩和に伴うドル安・円高が優勢であろうとの示唆だ。

第29回
9月15日、日本当局は6年半ぶりに為替市場へ介入した。この介入は戦術的に良好な成果を上げた一方、円高抑止効果は一時的なものにとどまる可能性が高い。

第26回
ギリシャショックの影響は思いのほか深刻だった。ファンダメンタルズが相対的に良好な通貨が劇的に売られる事態に至り、国際投資家は、株式やコモディティを含めて、ここ数ヵ月の利益を数日のうちに失ったのだ。
