2012.4.4 円安へのトレンド転換は尚早80円前後で振れの大きい展開に ドル円相場は2、3月に76円台から一時84円台まで急伸した。直接の要因は堅調な米国景気とその金利上昇。背景には欧州発の世界危機リスクの後退があった。今年初め、市場は欧州危機を警戒する一方、リスク削減やヘッジなど危機対策をやり尽くした。
2012.2.15 困ったことに円は最強通貨世界景気悪化でさらに上昇も 現在、欧州発の信用不安が世界経済を脅かしている。先行き不安は国際マネーの流れを鈍らせ、債務国通貨を債権国通貨に対して弱くさせる傾向にある。
2012.1.12 年前半は欧州不安が燻り続ける避難先とされた豪ドルにきしみ 2012年、世界経済はこの難局をかろうじて乗り切ると信じよう。最近の米国経済の指標改善は心強い兆候だ。当社は12年の米経済成長率を2.5%、13年も良好さを持続すると見ている。
2011.11.16 納得いく(79円19銭)為替介入円高反転は無理でも戦術的効用 ここ数ヵ月、ドル安、ユーロ安、円高の背景として米経済の低迷、ギリシャ危機、米欧政策の手詰まりに関連するイベントニュースが錯綜した。しかし、それらを真に受けても相場には乗れない。当欄では前回もこの点を指摘し、金利シグナルを軸に据えて…
2011.9.28 話題と相場を動かす要因は別ドル円読む鍵は今も米中期金利 昨今の世界経済の先行き不安も半分は2009年から想定された道筋だ。日本人なら金融危機後の欧米のバランスシート調整にはそうとう時間がかかると実感的に理解できるだろう。
2011.8.10 購買力平価だけで為替決まらず生産性高い国の通貨は強くなる 長期の為替は購買力平価で予測するとか、その購買力平価から見て対外投資は妙味がない、とする「専門家」の解説には面食らう。購買力平価は財の価格が各国で同じになるよう裁定が働いて為替レートが決まるという考え方だ。
2011.6.29 ドル円は今後1、2年が底値新興国は2、3年後高値波乱 ドル円相場は米景気サイクルに沿った変動が今も美しい。ドルは経常赤字を計上する世界最大の借金国通貨、円は経常黒字を海外に貸す債権国通貨。債務国通貨ドルが債権国通貨円より持続的に強いのは、米国へ日本など債権国マネーの流入が円滑に進む局…
2011.5.11 輸出減は需給より投機の円安材料ドル円年末値を90円→87.5円に 東日本大震災によって日本経済は下振れ、サプライチェーンへの打撃による供給制約で輸出が減る公算だ。日本銀行は強く長く金融緩和を進め、拡大必至の財政赤字には懸念が強まろう。一見すると円安で当然と思うだろう。
2011.3.30 震災後の円高は誤解が原因FXの損切りが最高値更新招く 東日本大震災直後から海外市場で円高の「思惑」が高まった。しかし、そこには「誤解」がある。地震大国ゆえに地震保険が巨額だろうと海外勢は考えるが、日本の家計向けの地震保険は金額を抑えつつ、民間損保と政府の再保険とのあいだで完結する仕組…
2011.2.16 材料は明白も買い方に難しさ円からの投資には妙味増 米国経済の脆弱な回復軌道はQE2、減税継続で下支えられた。新興国・資源国の見通しはさらに強く、株式などリスク相場への信認も強まっている。もっとも、明るい材料がストレートに投資妙味につながるわけではない。
2010.12.20 米金利先高観出れば円高一服日本株上昇のシグナルに 米金利が上昇中だ。なかでも米国債2年物利回りが上昇基調になるほどに米国と世界景気がしっかりしてくると、ドル安・円高は一服し、日本の株価や景況感にしばし光明が差すステージに進む。そのことを韓国ウォンと円の関係から整理しよう。
2010.11.17 日米量的緩和でドル安・円高来年も基調反転は見込めず ここ2年、米国が量的緩和を劇的に進め、マネー量の日米相対比は大幅に下振れ、ドル安・円高側に傾斜している。日銀も量的緩和を拡充しているが、米国の量的緩和に伴うドル安・円高が優勢であろうとの示唆だ。
2010.10.6 日本の介入は戦術的に成果も 円高の抑止効果は持続せず 9月15日、日本当局は6年半ぶりに為替市場へ介入した。この介入は戦術的に良好な成果を上げた一方、円高抑止効果は一時的なものにとどまる可能性が高い。
2010.6.2 ユーロ不安が勝ち組通貨へ連鎖期待される円安もしばし「お預け」 ギリシャショックの影響は思いのほか深刻だった。ファンダメンタルズが相対的に良好な通貨が劇的に売られる事態に至り、国際投資家は、株式やコモディティを含めて、ここ数ヵ月の利益を数日のうちに失ったのだ。