田中泰輔
第72回
今年の金融・為替市場は何かただ事では済まないかのような、不穏な幕開けとなった。ユーロ圏の債務不安が再燃か、原油価格の急落でロシアなど資源輸出国の経済危機発生か、減速する中国経済がハードランディングかなどなど、何かとリスクオフ機運が優勢になりがちだった。

第71回
ドル円は、米景気拡大を主エンジン、日本銀行QQE(質的量的緩和)を副エンジンとして、上昇気流に乗っている。2015年末125円、16年末130円へと上昇トレンドは持続しよう。米経済成長率は15年3.5%、16年3.1%と堅調を保ち、FRB(米連邦準備制度理事会)は15年半ばごろから利上げを模索していく見込みだ。

第70回
米景気堅調を主エンジン、アベノミクス下の質的量的金融緩和(QQE)を副エンジンとして、ドル円の上昇に弾みがつくと筆者は唱えてきた。数カ月前まで当欄の2015年末120円予想は「とっぴ」と見なされがちだった。

第69回
米国経済は来年も再来年も3%を超える成長となり、自律回復が続くだろう。欧州経済は、2年間の景気後退の後、今年0.7%、来年1.0%、再来年1.4%と、重たい足取りながらもプラス成長を見込む。

第68回
ドル円は年内に112円、今後1~2年内に120円に達すると予想する。海外投機筋の円売りは、米国の強い経済指標と金利先高観から燃料補給され続けよう。

第67回
再上昇の機が熟しつつあるドル円相場にとって、9~10月は今年最大の焦点と考えてきた。ドル円の上昇トレンドは2015~16年にかけて続き、最終的に120円へのオーバーシュート(行き過ぎ)もあり得るとみている。以下、円安持続を予想する根拠を列挙する。

第66回
ドル円相場は歴史的な膠着を続けている。今年初からの高値と安値を中値で除した変動率は4.5%にすぎない。左のグラフで過去40年の各年間変動率と対比すると、今年の特異ぶりが際立つ。季節的に8月のドル円相場は薄商いで動きが鈍くなりがちだ。

第65回
世界の経済成長は来年にかけて緩やかに加速するとみる。米国は、今年1~3月にひどい寒波で落ち込んだ後、3%を上回る成長軌道に戻りつつある。ユーロ圏は、南欧債務危機後の処理による圧迫下でも、1%強の成長を確保する公算だ。

第64回
ドル円は何カ月も100円台前半で膠着している。この気迷い相場をいつどのように脱するか、新たな動因は何か、市場の模索は続いている。当欄ではかねて、米国経済の堅調さを背景に金利先高観が醸成されるにつれ、ドル円相場は上昇に向かうと指摘してきた。特に米雇用統計はドル円相場の動きを読む最重要指標だった。

第63回
米国経済の堅調が続く限り、ドル円の上昇観に揺るぎはない。今年1~3月は、米国の経済指標が寒波で思いがけず下振れた。春とともに米指標は反発し、5月は、ドル円の再上昇にどう弾みがつくか極めて重要な場面、と注目してきた。

第62回
円相場を動かす次の材料は何か。外国人投資家の問い合わせはもっぱら、日本銀行の追加緩和、公的年金の株式や海外証券の買い増し、法人税減税、アベノミクスの成長戦略「第三の矢」、消費税増税と景気の先行きなど、日本の要因に関するものが多い。

第61回
ドル相場は2017年まで続く上昇サイクルに入った可能性がある。ドル相場を読む上で、4~5年の景気変動に沿ったサイクルと、それを複数回含む17年サイクルを注視してきた。

第60回
米経済成長率は今年3.5%に加速し、新興国を含む世界経済もじわり明るさを増すだろう。ドル円はその上昇気流に乗って115円を目指すと予想する。しかし今年の円安は一本調子では進みそうもない。

第59回
米国は順当に景気回復のペースを速めている。経済成長率は2014年3.2%、15年3.8%と加速し、為替市場では「強いドル」が中心テーマとなるだろう。米国、世界の経済に明かりが差すとき、日本では「異次元緩和」が効く。

第58回
2014年、世界経済は明るさを増すだろう。牽引役は米国だ。バランスシート調整の暗雲が薄れ、住宅から雇用、消費へと晴れ間がつながり、3%超の成長を見込む。米国の回復は新興国の曇天にも薄明かりをもたらす。南欧債務問題に圧迫されるユーロ圏ですら景気後退を脱して、かろうじてプラス成長になる公算だ。

第57回
ドル円相場は半年近く90円台後半を中心に一進一退を続けている。昨年11月半ばからの半年間に約30%上昇した「安倍相場」は鳴りを潜めたかに見える。

第56回
ドル円相場は、5月22日に103.74円に達した後、98円プラスマイナス3円のレンジで膠着している。アベノミクス始動直後から、米景気の自律回復に伴うドル高円安がどこまで進むか、検討してきた。結論として2015年末120円をメインシナリオとしている。

第55回
今秋から米国の景気回復は力強さを増し、ドル高基調がはっきりするとみる。ユーロ圏は景気後退を脱出し、日本経済はアベノミクスで上向いている。中国経済減速にも歯止めがかかってきた。米量的緩和縮小懸念でぐらついた新興諸国の経済・市場も落ち着くところが徐々に増えそうだ。

第54回
2013~15年、米国経済の回復を軸に、世界経済も底堅いとみている。この追い風に乗れば、アベノミクスは円安・株高とともに前進できる。この楽観シナリオに対するリスク要因は、第一に米財政・金融政策の「出口」への勇み足、第二に欧州債務問題の再燃、第三に中国経済の予想以上の悪化、である。

第53回
オーストラリア(豪)ドルは何年にもわたり、日本人にも世界の投資家にも選好され続けたが、ここ1カ月強、大きく売り込まれた。今年の初めには、米景気回復への信認とともに、安倍相場で沸き立つ日本で、豪ドルへの強気見通しが目立ったが、当欄は、世界的には豪ドル相場の上値は重いと強調した。
