栗下直也
タイトルにつられてクリックしたあなたは、きっと経験があるはずだ。気持ち悪くて起きられない。前の晩に二軒目、三軒目に行かなければ、いや、最後の一杯が余計だったか。そんなことを今更、寝床で悔いても問題は解決しない。

中国では長らく一人っ子政策など生殖への支配が続いた歴史もあり、性にオープンな印象は薄いが、ここ10年ほどでめまぐるしく変わってきたという。2000年代中頃までは、世界でも性満足度が日本を下回り、世界でワーストだったが今やセックスの頻度が平均で週1.2回、2回以上が3割を超えるという。日本で草食系がはびこる間に、GDPと同じくこちらも瞬く間に抜き去られたのである。

戦場は危機に満ちている。いつ敵の襲撃があるかわからない。やるかやられるか。だが、危機は敵だけではない。過酷な環境下、自らの体調を崩すこともある。大病に至らないまでも張り詰めた空気の中、兵士だって行軍中に戦闘中にお腹がいたくなることもある。一体、彼らはどのように内なる危機と向き合っていたのだろうか。

地主になりすまして、不動産をだましとる「地面師」の存在は古くて新しい。戦後の混乱期やバブル期に暗躍し、アベノミクスで沸くここ数年、再びうごめき始めた。本書『地面師』では、冒頭で触れた、新橋の地主怪死事件を含む6つの詐欺事件の真相に迫っている。

最近、東京新宿のゴールデン街が外国人観光客に人気だ。狭小な建物が林立する飲み屋街は世界でも珍しいという。あのような安普請が立ち並んでいるのは、ゴールデン街がかつて非合法の売春地帯「青線」であったからだ。

今年の全国高校野球選手権大会は100回の記念大会ということもあり、開幕前から例年以上にメディアで特集が組まれ、書店には関連本が所狭しと並んだ。本書『甲子園に挑んだ監督たち』もその一冊と言えるが、異色の存在だろう。著者はそもそもスポーツライターではない。

事件は、2013年12月に死亡した京都の筧勇夫さん(75歳)から、青酸化合物が検出されたことから全てが始まる。警察が妻の千佐子の周辺を探ると、1994年に夫を病気で亡くして以降、結婚相手や交際した高齢男性が相次いで死んでいることがわかる。なんとその数は11人。結婚相手の遺産はもちろん、内縁関係でも、ご丁寧に遺言公正証書まで作成させて資産を相続していたために、連続不審死事件の様相を帯びてくる。

第105回
日大アメフト部による悪質タックル問題がいまだに世間を騒がしている。もちろん、今回の問題は監督やコーチの属性による部分も少なくない。だが、一方で全てを個人の問題として捉えてよいのだろうか。日本の大学スポーツに構造的な問題が潜んでないのか。米スタンフォード大学でアメフトの指導に携わる河田氏の指摘は参考になるだろう。

第100回
強い者が嫌いがために巨人と距離を置いたことで、四面楚歌ならぬ四面で巨人軍歌「闘魂こめて」が響き渡っていたのに、今や周囲で巨人について会話をする者はいない。あんなに溌剌と巨人を語っていた巨人ファンは一体どこにいってしまったのだろうか。

第97回
私たちは中国をどこまで知っているのか。メディアにすり込まれたステレオタイプな中国人像で語ってないだろうか。上海の寿司屋、反日ドラマの日本兵役、山東省の田舎町にあるパクり遊園地の踊り子、爆買いツアーのガイドなど7ヵ所の労働現場に入り込み、日本人が知られざる中国人の実像を描く。

第47回
2015年、メジャーリーグで活躍するダルビッシュ有投手が肘の靭帯を損傷し、トミー・ジョン手術を受けた。この手術を受けた経験があるメジャーリーグの投手は4分の1にものぼる。球数制限をしているのに、なぜ肘の手術を受けなくてはならない投手が増えているのか。
