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山本雅文
リーマンショック後に議論された、欧米諸国が日本のような状況に陥る「日本化」が、最近、再び注目されている。為替市場では、ユーロ圏での「日本化」はテーマとなりにくいが、金利水準が相対的に高い米国、豪州、中国では「日本化」が注目されやすい。米国では、日本が以前に直面したようにゼロ金利制約が意識される可能性があるほか、日本では「日本化」が深化する可能性があり、帰結として円高が進展することも考えられる。

米国では2020年11月3日に大統領選が予定されているが、それまで1年超の時間が残されている。野党民主党では候補者選びも終わっておらず、共和党、民主党どちらの候補が勝利する可能性が高いかを議論するのは難しいが、市場では米次期大統領選が意識され始めている。そこで本稿では、現時点で入手可能な情報をもとに、米次期大統領選が為替市場に与える影響に関するシナリオ分析を試みた。

金融市場では、各国中銀による利下げを織り込む形で世界的に金利が急低下し、為替市場では円が上昇した。ただ、先行的に利下げを決めたオセアニアの2中銀は様子見姿勢に転じ、NZドル、豪ドルともに反発しやすい。米国でも市場の行き過ぎた利下げ期待に対し、FRB高官がけん制している。米景気の現状を考慮すると、今回の利下げ局面における利下げ幅は小幅にとどまり、利下げ開始がドル高につながる可能性が高いとみる。一方、ユーロやポンドは、ECB、BOEの追加緩和観測を受けて下落圧力がかかりやすい。

足元では米利下げ期待が高まっており、ドルは全般的に下落している。仮に期待通りに米国で利下げが実施された場合のドル円の動きを考察するために、過去5回の米利下げ局面とドル円の動きを検証した。この結果、米利下げが必ずしもドル円の下落につながるとは言えず、むしろドル高圧力が強まる展開も考えられる。

米中貿易戦争が激化するなか、米国株は大きく下落し、ドル円は米中長期金利の低下とともに23日、109円台へ下落した。今後、市場はどう動くのか。米中関係の想定し得るシナリオを3パターンに分けて、米国株・金利、ドル円、中国人民元の行方を、「軟着陸から最悪まで」シナリオごとに分析しよう。

2018年中の豪ドル安は、関係性が深い中国景気の減速懸念の強まりが主因だった。豪ドルは足もとで反発しているものの、それが限定的な背景には、豪州の利下げ見通しが影響している。しかし実際のところ、RBAによる利下げの可能性は低いとみられる。そのことは「マラドーナ理論」で説明できる。
