各国中銀による利下げを織り込み世界的に金利が急低下したものの、利上げ局面には早くも「終わりの始まり」が見え始めた(写真はイメージです) Photo:PIXTA

複数回の利下げを織り込み
為替市場では円が上昇

 5月以降、米国を中心に主要中銀による複数回の利下げを織り込む動きが加速し、世界の金融市場で金利が急低下した。その背景には、(1)米中貿易戦争の再激化(5月6日のトランプ大統領発言以降)、(2)連邦準備制度理事会(FRB)高官のハト派化(5月30日のクラリダFRB副議長発言以降)、(3)米国の対メキシコ関税発動懸念(5月31日のトランプ大統領発言以降)、(4)英国の合意なきEU離脱懸念の高まり、(5)米国など主要国の経済指標の下振れなどがある。

 こうした中、日銀の追加緩和意欲は、副作用への配慮から他中銀と比べて低いとみられがちで、国内金利の低下は相対的に小幅にとどまった。このため為替市場では、円が全般的に上昇した。

オセアニア中銀は様子見姿勢
NZドル、豪ドルは上昇加速か

 もっとも足もとでは、すでに利下げを開始したニュージーランド中銀(RBNZ)と豪中銀(RBA)はともに、追加利下げではなく当面の様子見姿勢を示唆し始めている。RBNZは、次回8月会合での追加利下げが予想されていたが、6月26日の声明文で「いずれ利下げが必要となる可能性」があるとし、次回会合での利下げを示唆しなかったと解釈された。RBAは6月、7月と2会合連続で利下げを決定したが、7月の理事会直後にロウRBA総裁が「今後数ヵ月間の動向を注視する」と述べ、様子見姿勢を示した。

 先行して利下げ局面入りしたオセアニアの2中銀は、利下げ局面の終わりをにらんだコミュニケーションをすでに開始している。仮に2中銀が今後、追加利下げに踏み切ったとしても、7-9月期には利下げされない可能性が高まっており、豪ドルやNZドルは反発しやすい地合いだ。IMM(国際通貨先物市場)の投機筋ポジション動向をみると、NZドルや豪ドルは長期平均に比べ大幅なネットショート(純売り越し)に傾いており、ポジション調整による買い戻しによってNZドルと豪ドルの上昇が加速する可能性がある。