新型コロナ感染拡大から2年。今秋以降、新型コロナの新規感染者数が全国で急減し、ワクチン2回目接種率も全国で7割を超えた。10月下旬には東京都内の飲食店の時短制限営業も解除され、経済活動はアフターコロナに向けて動きだした感がある。だが、上場企業の人員削減は2020年に続き、今年も依然として高い水準を維持している。新規求人はコロナ前の水準まで戻らないが、上場企業では1000人以上を対象にした大型募集も目立つ。変異株「オミクロン株」の感染拡大も懸念される中で、早期・希望退職募集は新たなフェーズに入ったようだ。(東京商工リサーチ情報部 二木章吉)
2年連続で1万5000人超え
だらだら続く退職者の募集
2021年の「上場企業の早期・希望退職」を実施した企業は、12月9日現在で80社、1万5296人に達する。これは2020年(92社、1万8635人)に続き、実施社数が80社を超え、対象人数は1万5000人を上回った。
2年連続の1万5000人超は、ITバブルや平成不況の影響が後を引いていた2002年(3万9732人)、2003年(1万6833人)以来、約20年ぶりの水準となる。