片山 修
GAFAMと真っ向勝負はしない…ソニー「稀代の戦略家」が見つけた勝ち筋とは
巨大テック企業「GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック〈現・メタ〉、アマゾン、マイクロソフト)」の勢いが止まらない。GAFAM5社合計の株式時価総額は2020年、東証1部約2170社の合計を上回った。つまり、日本の会社が束になっても、GAFAMの成長にはかなわない。唯一、GAFAMと対決できる日本の企業は、ソニーグループだろう。だが、ソニーはGAFAMとは真っ向勝負しないと公言する。なぜなのか。

ソニーの経営方針説明会の光景が意外過ぎた!テレビもオーディオもなく…
ソニーはかつてテレビやオーディオなどエレクトロニクスの会社だった。ソニーの事業領域はゲーム、音楽、映画、エレクトロニクス、半導体、金融、の6つの領域にまたがるが、2000年度は売上高の69%をエレクトロニクス事業が占めていた。しかし、今や「ゲーム、音楽、映画」のエンタテインメント事業がソニーの中核を担っている。この四半世紀でソニーの何が変わったのか。ソニーは何で稼いで、大復活を遂げたのか――。ソニーを40年以上取材し続けて、このたび『ソニー 最高の働き方』を上梓した経済ジャーナリストの片山修氏が解説する。

ソニー復活のワケは「働き方」にあった?「配属ガチャ」とは真逆の驚きの人事制度とは
売上高約13兆円、営業利益約1兆2000億円(2023年度決算)と、ここ数年、ソニーグループの躍進が著しい。テレビ事業の赤字から一時期どん底に沈んだソニーは、なぜ復活できたのか? ゲーム、音楽、映画といったエンタテインメント事業が伸長して売上高の6割を占めるようになったのもその一因だが、その根っこにはソニーの「働き方」がある。「配属ガチャ」のデメリットが言われて久しいが、これとは真逆の人事を貫いてきたのがソニーだ。ソニーを40年以上取材し、このほど『ソニー 最高の働き方』を刊行した経済ジャーナリストの片山修氏がソニーの人事の肝を明らかにする。
