「大後継者難」時代を生き残る経営者と力尽きる経営者の違い、「自分の次」が見つかるシンプルな発想転換とは後継者不在の時代に、「次の経営幹部」をどう育てればいいのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

後継者育成などの経営課題解決の支援を行うリクルートマネジメントソリューションズ コミュニケーションエンジニアリング部の河島慎氏が、経営者・幹部育成のヒントを伝える連載第1回。今回は、後継者不在の時代における経営・幹部候補育成の勘所についてお届けします。

中小企業の半数超が
後継者不在の「後継者不足の時代」

 52.7% 

 この数字は何を示しているでしょうか?

 これは、2024年度の中小企業の後継者不在率を示しており、中小企業の半数超で後継者が不在ということになります(引用:中小企業庁「2025年版『中小企業白書』」)。また、リクルートマネジメントソリューションズの「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2024年」では、「次世代の経営を担う人材が育っていない」ことが企業組織課題のトップとして挙げられています。

 新聞記事やインターネットニュースを見ても、後継者難による廃業、もしくはM&Aの話題は尽きません。まさに現在は「後継者不足の時代」と言えるでしょう。

 この課題に対し、企業側は色々な手を打っています。幹部候補者を外部採用したり内部選抜したりしながら、“経営者との個別対話の機会を設ける”“権限委譲~様々な部署や新規プロジェクトといった難度の高い仕事を任せる”などの様々な育成機会をつくり、真剣に経営人材育成に取り組まれている経営者は多くいます。

 一方で、こうした取り組みを行っていても「いまだ経営人材が育っていない」「次の経営幹部を育てる良い方法を考えたい」と多くの悩みや相談をいただくのも事実です。果たして経営人材育成の現場では何が起きているのでしょうか?