「いきなり春が訪れることも」勘右衛門(小日向文世)が恋!?スキップができたことがきっかけで人生激変の予感〈ばけばけ第43回〉『ばけばけ』第43回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」連載です。本日は、第43回(2025年11月26日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)

オーマイガーなことばかり

 トキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)が生け花をしていると錦織(吉沢亮)が訪ねてきた。

 錦織は、リヨ(北香那)が来たらヘブン(トミー・バストウ)と「くっつかないようにしてほしいんだ」とトキに頼む。要するに「恋仲にならないように邪魔をしてほしいんだ」ということだ。

 トキの返事は「難しいです」。

 すでにリヨからヘブンとうまくいくように「協力してほしいの」と言われていたトキは、板挟み状態だ。

 トキは、ここでひとつの英語を体験を伴って学ぶことになる。

 それは「オーマイガー」。

 ことあるごとに錦織がつぶやいている「オーマイガー」(Oh my God.)。今回も彼は声に出す。「どげな意味なんでしょう?」とトキが質問すると、「困った」とか「なんてことだ」という意味だと教えてくれた。そこで彼女はまさに、いま彼女が置かれている状況こそ「オーマイガー」の使い所だと理解したのだろう。
 
 ここでタイトルバック。

「毎日難儀なことばかり♪」。これもまた「オーマイガー」なことばかりということだと思っていいだろう。もしかして、この歌詞に合うようなアヴァン(タイトルバックの前のパート)を考えているのではないだろうか。

 英語をほんの少しずつ学ぶトキ。ヘブンもまた日本語を少しずつ学んでいた。最近は「頭痛」という日本語を覚えた。これは純然たる、病的な頭痛の意味であろうか。それとも、「オーマイガー」的な「大変なことばかりで頭が痛い」というメンタル的な意味であろうか。

 松野家で、ヘブンの話題になり、日本語のボキャブラリーも増えてきて、仲の良い女性もできたらしいとトキは家族に話す。

 そこで、そもそも彼には奥さんはいないのかという疑問が浮上して……。