栃本克之
「地銀ならでは」の戦い方をするための地域エコシステムの構築について解説したい。メガバンクやネット銀行にはない地銀の強みとして、例えば三つが考えられるが、どれも懸念材料がある。

今回は、ここ数年で世界的に広がりを見せる「ファイナンシャル・ヘルス」の考え方を紹介する。オーストラリアのディーキン大学の調査によると、人の幸福の実現要因として、人間関係や目的意識に並び、「財務的コントロール」が挙げられるという。

今回は、顧客へ効果的にアプローチするための「セグメンテーション」を取り上げたい。グループ分けは古くからあるマーケティングの概念だが、有効に活用できている地方銀行は少ない。

ユーロ経済圏は2022年にマイナス金利を脱し、日本より2年早く「金利ある世界」に戻った。今回は、預金金利マネジメントについて欧米の事例を紹介したい。

欧州を中心に多くの海外銀行で採用され、当社もその導入を支援している「価値ベースの貸出金利設定」を紹介したい。この手法は、個々の案件のスプレッドを価値ベースで適正に設定することを目指すものであり、二つのアプローチを特徴としている。

地方銀行は、これまでどおりのやり方を続けていては、社会の構造変化の波に飲み込まれてしまう。欧州と北米、日本における先進的な事例・手法を紹介し、地銀の変革に向けた道筋を探りたい。
