鈴木文也
原子力発電所のテロ対策施設整備に5年間の猶予期間を設ける制度を巡り、期間の延長を求める電力事業者と原子力規制委員会の間で議論が紛糾している。同じ議題が6年前にも俎上に載せられたものの規制委は要望を認めなかったが、切羽詰まった大手電力らが再び規制委に泣きついた。猶予期間を過ぎた場合、原発の稼働を停止することになるため原発事業者らは必死に懇願するが、原子力規制委は期間延長に対して慎重な姿勢を示す。6年ぶり2度目の議論の結果が今後の原子力事業の転換となる可能性がある。

石油元売り大手3社の2026年3月期中間決算では、2社の純利益が減益となった。原油価格の下落が業界全体に影響を与えたためだが、在庫影響を除くと独り負けとなる会社がはっきりと浮かび上がった。エネルギー業界ではカーボンニュートラル実現の一里塚として30年度までの目標を各社が掲げ、事業構造の転換を急いでいる。それぞれの経営方針が業績に表れ始めている一方で、脱炭素の揺り戻しや電力需要の上昇でカーボンニュートラルに向けたロードマップが揺れ動いている。

望ましい電源構成の実現を目指して、政府は年間の電力供給量5億キロワットアワー(kWh)以上の小売事業者を対象に毎年度、供給量に占める非化石電源比率の目標値を示している。資源エネルギー庁がこのほど公表した2024年度の結果ではほとんどの事業者が目標を達成する中、広く名を知られた中堅新電力1社だけが大幅に未達となっていたことが明らかになった。その理由を含め、業界内からは非難とともに制度そのものへの不満も漏れ聞こえる。
